何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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ゲーマーな日々、再び。

年末、急に思い立ってPS4とPSVitaを買いまして。年末年始は旅行にも行かずゲームに熱中してました。
そして唐突に思い出す、約30年前のこと。初めて買ったパソコンはPC88。ええ、PC98は高かったのでPC88。まだマニアくらいしかパソコンを持ってなかった時代に思い切ってパソコンを買った理由は、「ゲームがしたかったから」。
なんや、ゲーマーの走りやったんや、私って(笑)。
しかしそれからしばらく後にMacユーザーになってからは、「Mac用のゲームが少ない」おかげですっかりゲームから遠ざかり…。ここ20年くらいは全くゲームしてませんでした。
それが、「日本史を勉強するにはゲームがいいかも」という安直な理由から『信長の野望 創造PK』に目を付け、それをプレイするためにPS4を購入。もちろんこれが初めてのPS。ついでに電車の中とかでもゲームできるようPSVitaを購入。ここ20年全くゲームしてなかったのに、いきなり最新ハードを二つも購入とか、極端すぎるわ私。

あとはもう、ゲーマー街道ずるずると。『信長の野望 創造PK』の次は『GTA5』にはまり、「GTAやるんやったらオンラインやらんと」という周囲の声に誘惑されてPSプラスにも加入。無料でプレイできる「フリープレイ」ゲームも、貧乏性ゆえさっさとダウンロードしてぼちぼちプレイしてたんですが、そのうちの一本『EVE burst error R』が面白かった。
コマンド総当たりしなくちゃストーリーが進まないのは、最近のゲーマーにとってはめんどくさいかもしれないけれど、私はかえって懐かしかったり。そうそう、80〜90年代のアドベンチャーゲームってこんな感じだったよなあ。フロッピーディスクが何枚もあって、それを次々に入れ替えなくてはならなかったり。

ストーリーも面白かったんだけど、なんといってもロス=御堂。このキャラの魅力にやられた。最後まで旧国王への忠誠を貫く潔さ。彼に比べると、計画の発案者なのに途中で怖くなって逃げ出した桂木や、優柔不断なアクアがしょぼく見える。一本芯の通った悪役って本当に魅力的だ。
まあ、御堂が黒幕であることは割と早い段階から分かるんだけど、それ以降は、テラーの正体なんかよりも、「御堂が最後まで渋い悪役でありますように。小物っぽくなりませんように」と、そればかり気にかけていたといっても過言ではない(笑)。
結果、最後までかっこよくてホッ。本性を表してからも、まりなに対して「法条さん」とさん付けで呼んでいたり、最後までクールで知的な悪役だった。死んだ時はショックよりも、「かっこいいまま死んでくれてよかった」という安心感があったりして。まあ、最後に死ぬキャラな事は分かりきっていたしね。

女キャラで好きなのは氷室。今までツンデレの魅力ってあまり分からなかったんだけど、氷室で初めてツンデレの可愛さに気づかされた。
ツンデレといえば弥生もそうなんだろうけど、彼女は父親が探偵事務所所長で、なんか「お嬢さん」なイメージもある。対して氷室はバックボーンが何もなくて、同じエージェントなのにまりなにはかなわないことを知って悔しがったり、小次郎に翻弄されたり、「天才にはかなわない努力タイプの秀才」って感じで共感できる。

そんな訳で面白かった『EVE burst error R』。また、EVEシリーズの続編がフリプに落ちてくれたら嬉しいな。(結局フリプ待ちかよ、っていう)

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ゴムの木虐待疑惑

部屋に観葉植物を飾りたくて、ずっと探してた植物のひとつがフランスゴムの木。しかも「斑入り」で「曲がり」というちょっとレアなやつ。実際に実物を見て買いたかったからネットで買う気はなくて、時たま行く園芸屋さんに入荷してたらいいな、くらいの軽い気持ちだったんだけど、なんせちょっとレアだからなかなか出会えない。それがこないだの日曜日、ようやく出会えた。

4つくらい同じ品種が並んでいて、曲がり具合を見比べてから購入。だがなぜかどの鉢にも、値段は書いていても品種は書いていない。それでも曲がり仕立てなんだから、フランスゴムの木に違いない。念のため、店主らしき店員さんに「フランスゴムの木の班入りですよね?」と確認してみたら「そうです」とのこと。

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だが家に持ち帰ってよーく葉っぱを見てみたら、私が知ってるフランスゴムの木の葉っぱとは、どうも斑の入り方が違う。フランスゴムの木は、もっと細かく斑が入る感じ。それに茎や歯柄、新芽の部分もこんな風に赤くない。
ネットで調べてみたら、どうも同じゴムの木の仲間の「デコラ・トリコロール」もしくは「ティネケ」という品種じゃないかという気がする。

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しかしネットでは、「デコラ・トリコロール」もしくは「ティネケ」が、「曲がり仕立て」で売られている例はない。曲がり仕立てで売られているのはフランスゴムの木のみ。……もしかして、「ゴムの木は曲がりが人気だから」ということで、フランスゴムの木じゃないゴムの木まで、無理やり「曲がり」で育てられたのか? それってまるで、清の時代に幼女の足を無理やり曲げて固定し、纏足(てんそく)にしたのと同じレベルの虐待じゃないか?(汗)。

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まあ別に私も、どうしてもフランスゴムの木が欲しかった訳じゃなく、ただ「班入りの曲がり仕立てのゴムの木」が欲しかっただけだから、別に品種にはこだわらない。これはこれで気に入ってるし、購入したお店の店員に「フランスゴムの木と言ったけれど、違うじゃないですか!」とクレームつけて返品しようという気もない。ホントは曲がり仕立てにできる品種じゃないのに、無理やり曲がり仕立てにされたとしたら、なんだか不憫でよけいに愛情がわいてくるし。

……と見せかけて、これはやっぱりフランスゴムの木で、ただ普通とはちょっと違う突然変異種なのかも。誰か正解を知ってる方がいたら、教えてください。

 

 

 

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『忍者武芸帳 影丸伝』白土三平

図書館に置いてある漫画っていいよね。なんたってタダだし。
そんな訳で先日、久しぶりに漫画読みたいなーと思い、とりあえず有名な『カムイ伝』を借りてみた。が、イデオロギッシュすぎて、私には合わなかった……。ちなみに読んだのは一部のみ。二部はきちんと完結してないというし、読みたいという気は今のところない。

でも『カムイ伝』だけでは白戸三平は分からないと思い、次に借りたのが『忍者武芸帳 影丸伝』。これは面白かった。階級闘争というテーマは『カムイ伝』と同じようだけど、この階級闘争に全く絡まない「我が道を行く」重太郎が、主人公の一人であることが話を面白くしている。もう一人の主人公である影丸が、農民たちのために闘う自己犠牲精神あふれるヒーローなのに対し、重太郎は父の仇を討つことしか眼中にない。そのことで恋人の明美をやきもきさせ、その明美の死でようやく目が覚めたかと思ったら、今度は明美の仇討ち。最初から最後まで、清々しいほど自分の感情のみに生きている。だがこの、ある意味自己中心な生き方が、今、読むと鮮烈で、魅力的な生きざまに映った。非業の死を遂げた両親や家老たちの仇を討ちたいという思いは、いつの時代も人類共通のものだし、感情移入できる。だから重太郎は、今から約60年前に創られたキャラにも関わらず、今、読んでも古びていない。作中でイデオロギッシュな説教をかます人物が、今、読むとどことなく古びて見えるのとは対照的だ。
というかそういう登場人物って、まんま「作者の代弁をさせられてる」感じであんまり生きたキャラクターとして魅力を感じない。性格や行動も品行方正だし。まあこの作品は、そこまでイデオロギッシュではないけれど。

重太郎と甚助の対比も印象的だ。読み返すと、甚助が物語のかなり早い段階から登場していることに驚く。そしてその初登場シーンから、彼は重太郎と間違われるなどして、重太郎の「対」となる存在として描かれている。
この二人は「仇討ちに生きる男」という設定は同じだが、その性格は対照的だ。重太郎が激情型なら、甚助は(重太郎に比べると)冷静沈着な思考型。
主膳と瓜二つの光秀に対する、二人の対応の違いにそれがよく現れている。甚助は最初、光秀を主膳と勘違いして仇を討とうとしたものの、光秀に「よく顔を見てみろ」と言われると、主膳との違いを認め、詫びを言って引き下がる。
かたや重太郎は光秀から「私は主膳ではない」「落ち着け」と言われようと全く聞く耳持たずで攻撃するのみ。
活躍シーンも、重太郎が剣劇アクション中心なのに対し、甚助はアクションよりも、無風道人や影丸との対話シーンが目立つ。
とりわけ甚助と影丸の対話は、この作品の思想的クライマックスといってもいいくらいの重要シーンだ。これらの対話を通して、甚助は武士であろうと農民であろうと命は等しく尊いことを知り、自分の人生を考え直していくのだけれど、重太郎がそういう深いことを考えるシーンはあまりない(笑)。

そんな、似ているようで実は対照的な二人だからこそ、この二人がついに会合するシーンが光るのだ。重太郎は甚助と出会い、「病におかされ、命をすりへらし」ながら10年間も仇を追い続けている彼を見て、初めて客観的に自分の人生を見つめ直すのである。もし甚助と出会わなければ、重太郎は自分の仇討ち人生の虚しさに気づくことはなかったのではないだろうか。

ラストシーンの二人は、残酷なほど対照的だ。弟子を連れ、見違えるような立派な服を着た甚助に対し、さらにつぎはぎが増えたボロ服を着て、たった一人で歩き去っていく重太郎。甚助の呼びかけに応じようともしない。愛する人を守れず、仇も討てず、ただ生き延びる重太郎を「不憫でならない」と感じる人も多いようだが、同じ仇討ちものの『鬼ゆり峠』を読んでる私は、重太郎がそれほどかわいそうとは思わない。って、SM官能小説と比べる方が間違ってるか(笑)。でもいくら自分の手で仇討ちできなかったとはいえ、返り討ちにされるよりはましではないか。実際の歴史では、そうした返り討ちも多かったそうだし。

そんな訳で予想以上に面白く、本を買い揃えたくなるほど気に入った『忍者武芸帳 影丸伝』だけど、全く不満がない訳ではない。作者が前の巻のナレーションで「生死をかけた闘い」と煽っていた影丸対重太郎の闘いが、しょぼかったこととか。というか影丸逃げてばかりで闘ってないし。あのあたりは作画も荒くて、展開も急ぎ足で残念。もっとじっくりペンを進めてほしかったと感じる。

それでも買い揃えたいと思うのは、読み返すたびに新しい発見があるように思うからだ。今回も一回目に読んだ時は、重太郎をだまして伏影城を焼き落とした後は姿を消し、その後も重太郎の前には変装でしか姿を表さない影丸をズルイと感じたものだった。仇討ちにかける重太郎の必死な思いを知りながら、主膳を逃がすのも酷いし。だが読み返すと、あの時主膳を逃がして重太郎に後を追わせたのは、重太郎を他の野武士たちのように城内で焼き殺したくなかったから、とも読める。
だがあの落城について、その後、一度は影丸の口から重太郎に何らかの説明があってもよかったとは思う。ラストで重太郎に襲われたとき、影丸は「なぜうぬが!」と驚いてたけど、アンタかつて重太郎をだましたことを忘れたのかと。
そのへん、大島渚監督の映画『忍者武芸帳』は上手かった。偶然影丸を見つけた重太郎が、「なぜ城を焼き落としたのだ」と詰め寄り、それへの影丸の返答が(原作では甚助への返答)物語の肝となるように改変されていた。
映画自体も独特の味わいがあって、かっこよい。あーでもやっぱり、次はちゃんとした(?)動くアニメで見てみたい。主人公が四角い顔のオッサンというのが、なんとも斬新で良いではないか。

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お一人様にはツラい鼎泰豊。
■三日め〈12月27日〉

台湾に行ったら、小籠包で有名な「鼎泰豊」には一度は行ってみたいと思う。でも長時間並ぶのはイヤ。調べると、土日は朝9時からオープンしているらしい。これならそんなに並ばなくても入れそう。そう思い、台湾に来て三日目の朝はあえてホテルで朝食を食べずに、東門駅近くの「鼎泰豊」で朝食を食べることにした。
ちなみに7泊した「エリンホテル (伊倫商務会館)」の朝食はなかなか手がこんでいておすすめ。毎日メニューが変わるので飽きないし。

「鼎泰豊」に着いたのは朝の8時45分頃。でもすでにオープンしていて、一階、二階は満席だった。店員が流暢な日本語で「三階にどうぞ」と言うので、三階に上がる。するとここはまだ私一人。4人テーブルからしかなかったので、それに座る。
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わりと希少かもしれない。空席だらけの「鼎泰豊」。後から気づいたけれど、部屋の奥は10人掛けのテーブルになっている。後は全て4人テーブル。
頼むメニューはもちろん小籠包。でも一人なので5個入りを頼む。それと、旅行中の野菜不足を補うために野菜料理。ここは台湾ならではの野菜ということで、メニューから空芯菜炒めをオーダーしたら、店員さんが「ありません」とのこと。
だったらメニューにそう書いていてほしいところだし、日本ならお客からクレームが来そうだが、台湾なら別に無問題なのだろう。台湾人はおおらかだと聞いているし、それくらいでクレームはつけなさそう。
と思ったが、後から次々に入ってきたお客は全て日本人。あっという間に三階の全テーブルが日本人で埋め尽くされた。

気の毒だったのは、4人テーブルが全て埋まった後にやってきた一人客と、カップル客。奥にある10人掛けのテーブルに相席にさせられたのだ。後から別のカップル客も来たけれど、その人たちもそのテーブルに相席になっていた。一つのテーブルに二組のカップルと一人客が相席……きまずい。

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空芯菜炒めがなかったので、代わりにオーダーしたほうれん草炒め。おいしいけれど、複数で取り分けること前提の料理なので一人で食べるのはちょっとしんどい。こういう時、お一人様の不便さを感じる。

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その後、すぐ小籠包も運ばれてきた。5個入りからでも頼めるのはお一人様にとっては嬉しいけれど、ビジュアル的には、5個入りというのはいかにもスカスカで、ちょっと寂しい。
味はもちろんおいしい……のだけど、北京でも、地元に住む日本人に「小籠包がおいしい店」に連れて行ってもらったので、そんなにびっくりするような感動はなかった。つまり北京で食べた店とそんなに大差なかった。私はグルメではないので、店ごとの小籠包の微妙な味の違いとか分からないし。

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食べ終えて店を出ると、店の前には長蛇の行列が。そして聞こえてくるのは日本語ばかり。この行列の中、一人で待つのはちょっとしんどい。朝一番に来てよかった。

この日は朝から雨模様。こんな日は屋内の博物館見学にもってこいだ。という訳で台北二二八記念館に行く。
受付で日本語のオーディオガイドを借りる。おかげで展示内容がよくわかった。
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雨に濡れる台北二二八記念碑。

二二八記念館を出た後は、近くの台大病院へ。大阪の中之島公会堂(大阪市中央公会堂)を彷彿とさせる、ネオ・ルネッサンス様式の壮麗な建物は圧巻。日本人建築家による設計だという。
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日本はアジアで唯一宗主国になった国だが、他の欧米の宗主国との大きな違いは「植民地に自国の伝統建築を建てず、西洋建築を建てたことだ」と、「台湾の歴史」という本で読んだ。確かに言われてみればその通りで、それだけ昔の日本は「西洋かぶれ」だったんだなあと、これらの建築を見ると実感する。

だがこの台大病院のもっとも凄いところは、築110年以上の歴史を持ちながら、今も現役の病院というところ。この石造りの建物が、いかに頑強かがよく分かる。
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内部も当時のまま使われている。患者でもないのに、病院内をうろうろするのはちょっと気が引けたが、好奇心には勝てずに階段をのぼり、中庭に出た。看護師と患者が隣同士に座り、何か話し合っていた。
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今日は12月27日。クリスマスはもう過ぎていたけど、窓にはまだ「聖誕快樂(クリスマスおめでとう)」のシールが貼られていた。この漢字の字面だけ見ると、台湾がキリスト教国に感じる。

この日は日曜日なので、午後からは北門の近くにある国際日語教会の礼拝に出席。行きは最寄りのMRT北門駅まで行ってそこから歩いたけれど、実は台北駅からも充分歩ける距離だった。台北駅の地下街を通って行くルートが分かりやすい。

国際日語教会は、台湾のキリスト教界ではもっとも信徒が多いといわれる台湾基督長老教会に所属。午前中は同じ台湾基督長老教会の城中教会がこの会堂で礼拝をして、午後からは国際日語教会が会堂を借りて礼拝している。こういう例は、海外の日本人教会に多い。
台湾にあるこの教会が他の海外の日本人教会と異なるのは、日本人だけでなく、日本語が話せる台湾人も礼拝に連なっていること。なので教会名も「日本人教会」ではなく「日語教会」なのだ。(たぶん)

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礼拝に出た後、せっかくなのですぐ近くの北門を観光。清の時代に建てられた台北府城の唯一の遺跡だ。だが観光の中心地からはちょっと離れているせいか、観光客はほとんどいない。門のすぐ隣を高速道路が走っているのも、ちょっと情緒に欠ける。当時の日本政府が、清代の門を一つだけ残してくれただけでもありがたいと思うべきか。

帰りは、礼拝に出席していた日本人に教えてもらったルートで台北駅まで帰る。地下街を通っていくと迷わずに駅まで行けるので便利。昼食もまだだったので、地下街にある「花蓮扁食」というワンタンのチェーン店に入った。もちろんワンタンを頼むんだけど、それだけだとお腹が空くのでワンタンと魯肉飯の定食を注文。ワンタンが看板の店だから魯肉飯にはあまり期待してなかったんだけど、想像を上回るまずさだった。そぼろ肉が脂っぽくてべとべと。シンプルな料理だけに、素材の善し悪しが大きく味を左右するのね…。
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口直し(?)に、晩ご飯はホテルの近くの韓国料理店で。石釜でじゅうじゅう湯気を立てながら運ばれてきたビビンバをいただく。ごはんのおこげもおいしくて完食したけど、水がほしい。が、日本みたいに水は無料でサービスされない。
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そこで帰り道、韓国料理店のすぐ近くにある「Walker.in」というお店でタピオカドリンクを購入。ホテルの部屋で飲み干した。
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ビビンバを食べた後にタピオカドリンクを飲む。海外旅行中ならではの取り合わせだけど、意外とイケる。次にこの韓国料理店に入る機会があったら、先にタピオカドリンクを買ってから店に入ろうと思う。
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『綉春刀』続編始動。一作目のファンを失望させた制作発表とは。
低予算で作られた無名監督の映画が好評を得て、「それじゃ続編を」となり、投資する会社が増えて潤滑な資金で続編が企画されたとき。いざ制作が発表されると、主役の俳優以外はがらっと前作からキャストが変わったときのもやもや感は、やっとの思いでW杯初出場を勝ち取った弱小国のチームが、本大会出場時にはキャプテン以外がらっと選手が入れ替わっていた時のもやもや感に似ている。
何が言いたいかというと、映画『绣春刀』のことだ。
※日本公開時の題名は『ブレイド・マスター』だが、私はこの邦題が好きじゃないので原題『绣春刀』のまま話を進める。そもそもこの映画が日本で不人気なのは、『ブレイド・マスター』という汎用的すぎるカタカナ名のせいもあると私は見ている。『ブレイド・マスター』というタイトルだけ聞いて、「どんな映画だろう、見てみたい」とはまず思わない。

この映画は一作目が2014年に中国で公開され、2015年には日本でもミニシアターでひっそりと公開された。映画の感想についてはこちらの記事を読んでいただくとして、ここでは先日制作発表会が行われた、続編について書きとめておきたい。

この映画の原作者で、脚本も書いた路陽(ルー・ヤン)監督の話によると、『绣春刀』続編の企画は、一作目が公開された二ヶ月後、2014年10月に持ち上がったらしい。つまり一作目の制作時には「あわよくば続編を」という考えはなかったわけだ。映画は路陽監督の監督三作目で、彼は当時、ほぼ無名の新鋭監督だった。低予算なため宣伝もほとんどできない状態だったが、口コミでじわじわと人気が広まり、結果的にはなんとか制作費をペイできる小ヒットになったという。
映画自体の評価も高かったため、続編が企画された。続編企画が進行中と公表された2014年11月には、路陽監督はインタビューで「続編は一作目の前日譚になる」と発言。これを受けて続編のタイトルは、以後、便宜的に『绣春刀前传』と称されるようになった。
続編では資金が一作目の3倍以上にアップし、「キャストも全面的にグレードアップする」と監督。この時点ですでに、「一作目の味わいが失われるのでは」と危惧していたファンは少なからずいた。私もその一人で、一作目のあの、低予算の中でなんとかやりくりしているB級っぽさがこの映画の魅力の一つだと思っていたからだ。
それにキャストも全面的にグレードアップって? 一作目の出演俳優ががらっと入れ替わる可能性もあるってこと? 
いやいや一作目の人気は魅力的な登場キャラクターたちによるところも大きかったし、さすがにそれはないだろう。一作目の前日譚ということは、主役の三兄弟の出会いや、義兄弟の契りを結ぶ過程などを、どうしたってファンは期待するだろうし。
それに私は知らなかったが、監督は「前传は丁修と靳一川の師兄弟と、三兄弟の過去の話になる」と言ったらしい。特に師兄弟の話が核心になるとか。この映画の脚本も書いている監督がそう言うのだから、ファンは期待しない訳にはいかない。とりわけ一作目でもっとも中国の観客、特に女性たちに人気が出たのが、丁修と靳一川の師兄弟なのだから。この二人は「相思相愛」ならぬ「相愛相殺」の関係だと、ファンの間では言われている。
ちなみに中国での绣春刀人気には、腐女子たちもおおいに貢献していると私は思う。その腐女子人気を支えていたのが丁修、靳一川の師兄弟だ。

そんな訳で監督の「キャストを全面的にグレードアップ」発言に一末の不安を感じつつも、ファンは『前传』の撮影開始を心待ちにしていた。その状態が約一年半続いた。

で、先日3月16日に正式に、『绣春刀前传』の制作発表会が行われた。正式タイトルは『绣春刀 修羅戦場』。主要キャストも発表されたが、なんと前作でも主役を演じた張震(チャン・チェン)以外はがらっと総入れ替えに。当然ストーリーもガラッと変わって、前作のような三兄弟が軸の話ではなく、全く新しいキャラクターが新しいストーリーを展開するとのこと。

ちょっと待て。それって果たして『前传』か?

だが監督はきっぱり「タイムラインからいって、一作目の前传と言えます」と言う。確かに時代設定は天啓七年で、まだ魏忠賢の専横時代。一作目の数年前の設定だ。
だが時代設定が一作目の前というだけで、『前传』と名乗るのはちょっと苦しい。『前传』というからには、ファンは当然三兄弟と、師兄弟の過去話を期待していたのだから。
それを大胆に裏切ったこの発表。一作目のファンからは当然非難の声も上がっているし、私も残念だが、一方で納得もしている。だって今回もまた三兄弟を主役にしたところで、彼らはこの作品では死なないと分かっているし。どんな危険な状況になろうとハラハラドキドキしないし、危険を乗り換えた時の喜びもない。それって三兄弟のファンは「キャラクター映画」として楽しめても、それ以外のファンにはつまんない映画になるのではと思うからだ。
そのことについては、この続編で初めて「監製(プロダクションマネージャーのことか?)」としてスタッフに加わった寧浩(ニン・ハオ)も同じ考えらしい。彼は映画の全面的グレードアップを計る路陽監督に依頼されて監製となったが、路陽は最初、三兄弟が主役の脚本を書いて寧浩に見せたところ、書き直しを命じられた。理由は「彼らはすでにその運命が確定しているから、観客の予想外の喜びや悲しみには限りがある」から。私もそれに同意する。
その後、路陽は書き直した脚本を寧浩に見せてはダメだしをくらい、五稿目でようやく寧浩からOKをもらったとか。映画は脚本が命だし、なんだか期待できそうではないか。一作目のスタッフだけで進めるのではなく、外部から監督としても監製としても実績のある寧浩を招いたことは、良い結果につながるのではないだろうか。

それに前作の主役だった沈煉はまだ引き続き主役で、演じる俳優も張震のままだ。軸となる俳優がそのままだから、よく「失敗した続編映画」として名の挙がる『スピード2』や『マスク2』のようなことにはならないのでは。張震は以前、「異なる役を演じることが好きだ。再び同じ役を演じるのは好きじゃない」と言ったそうで、確かにこれまで同じ役を再び演じることはなかった。それについて路陽は、「今回の役は(沈煉という役は同じでも)新鮮な感じがあるから、張震は引き受けたのでは」と語っている。
また、張震以外はがらっとキャストが変わったことについては、「寧浩と討論した結果、新しいストーリーと役柄を採用した。沈煉を核心に、彼に新しい人物とからませ、新しい冒険をさせる」とのこと。その一方で、「『绣春刀2 修羅戦場』で新しく登場する役柄の何人かは、一作目の『绣春刀』の役柄と複雑で入り組んだ関係にある」とも漏らしている。
さらに、発表された主要キャストには名前がなかったが、監督いわく、実は張震以外にも、一作目に続いて出演する俳優はいるらしい。それも一作目と同じ役で。だが彼らは主演ではなく、いわば特別出演のような形で、短時間の出演になるのではないだろうか。

そうした期待はあるものの、とりあえずはっきりしたことは、続編は一作目とは違い、三兄弟が主役の話ではないということ。また一作目で鮮烈な印象を放った丁修が登場するかどうかも未定だ。そのことに失望しているファンは多く、「監督は、前传は師兄弟の話だと言っていたのに」「詐欺師」と、監督を非難する声も少なくない。
そうしたファンの反応は、監督は充分予想していただろう。それでもあえてガラッと主要キャストを入れ替えた。前作のキャストをそのまま引き継げば前作のファンはまず映画館に足を運ぶだろうし、ある程度固定客は確保できたはず。だがその固定客を切り捨ててまで、作品のグレードアップに踏み切ったのだーーと、私は好意的に解釈したい。というのも、一作目は作品としてはいろいろ惜しい部分もあり、完成度は決して高くなかった。だから寧浩を監製に招いた続編は、一作目を上回る作品になるのではないかと期待している。

だがその一方で、なんともいえないもやもや感が残る。冒頭にも書いたように、苦労してなんとかW杯の出場権を勝ち取った弱小チームが、本大会ではがらっとメンバーが入れ替わっていた、あのもやもや感に似ている。一作目の出演俳優たちは、ほぼ無名の青年監督の低予算映画にもかかわらず、脚本の良さや、スタッフの情熱に惹かれて出演したのだ。それが高評価を得て、前作より資金が大幅にアップした続編には、前作のキャストはほとんど呼ばれず、かわりに人気のスター女優が出演する。もやもやするけど、発表されたポスターがカッコいいのでやっぱり期待してしまう。劇画調で、青年コミックの単行本の表紙にも見える。

よく見ると、飛魚服のデザインが前作とは変わっている。実際に映画でもこのデザインだったら、飛魚服もグレードアップということになる。

撮影開始は4月3日から。公開は来年になる見込み。もし中国でヒットしたら、日本でも前回のようなミニシアターではなく、ロードショー公開される見込みがあるかも。
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白菜どこ〜? in故宮
■二日め〈12月26日〉

台湾旅行二日目のメーンイベントは、夕方からの故宮博物院。今年いっぱいは、16時半からの入場は入場チケットが安いと聞いたからだ。
夕方からだとツアー客も少なくて比較的ゆったり見れそう。それに故宮は普段の開館時間は18時半までだが、金・土は21時まで開いている。なので16時半から入館しても、鑑賞時間に余裕がある。故宮に行くなら金・土の16時半からに限る! そして旅行中はこの日がチャンスだった。

夕方からの故宮博物院鑑賞に備えて、日中はなるだけ体力を消耗しないようにしようと思っていた。なのに結局、無駄に道に迷ったりして歩き回り、夕方にはいつもと同じくらい疲れていた。それでもこの日を逃したら、ゆったり鑑賞できるチャンスはない。

16時頃、士林駅下車すぐの所にある、故宮博物院行きのバス停に行く。九份に向かうバス停の時は長蛇の列ができていたが、故宮行きのバス停は列が作られておらず、みな適当にバス停を囲んでいた。
思えば、九份行きのバスの行列が特異だっただけで、台湾では(というか中国でも)バスに乗るのにいちいち行列とか作らないのかも。

ほどなくバスが来て乗り込む。故宮博物院へは10分ほど。それでもその間立ちっぱなしなのは疲れる。やはり日中歩きすぎたか。
夕方からの入場はチケットが安くてお得だけれど、体力的にはやはり、朝から観光する方がラクかも。
夕方からだと、いくら日中体力を消耗しないでおこうとしても、どうしてもじっとしてるのがもったいなくてあちこち観光してしまうし。

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故宮博物院到着。正門前で、かめはめ波を撃っている人がいた。

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鑑賞を終えて帰ろうとする人の群れとすれ違いながら、階段を登る。
館内はけっこうな人。それでも昼間よりは人が少ないらしく、302号室にある肉形石もゆったり見れた。
が、この部屋のもう一つの目玉、というか故宮博物院屈指の作品である翠玉白菜がどこにもない。部屋にいた学芸員らしきおばさんに聞くと、「別の博物館に貸出中」とのこと。なんてことだ……。
展示品はどれも興味深かったけれど、先に北京の中国国家博物館で膨大な数の文物を見ているので、正直、それほどインパクトはなかった。中国国家博物館の方が展示されている文物が多いし、展示方法も、石器時代に始まって、中国最古の王朝である殷、春秋戦国、秦……と時代ごとに部屋が分かれており、それを順番に見ていけるので、技術の発展などがわかりやすい。私が見落としただけだと思うけど、なぜか楚漢戦争と、その後の漢の時代の部屋がなかったのが謎だが。だがその部屋を改めて探そうという気力や体力がないほど、広大な博物館で見応えがあった。

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博物院にいたのは3時間半ほど。鑑賞を終えて外に出ると真っ暗で、地面が濡れていた。雨が降っていたようだが、博物院を出た20時半頃にはすでにやんでいた。

再びバスに乗って士林駅に向かう。すぐにMRTに乗るつもりだったが、駅の近くに火鍋屋を発見。寒かったこともあり、吸い込まれるようにその店に入った。
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鍋のメニューはたくさんあったが、私が選んだのは羊肉の鍋。だが肉が固くて、「素直に牛肉にすればよかった」と後悔する。
だが旅行中は不足しがちな野菜がたくさん取れたのはよかった。一人用の鍋が充実している火鍋屋は、一人旅行者にはありがたい。
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クー嶺街を歩く。
■二日め〈12月26日〉

台湾旅行二日目は、朝、自然と早くに目が覚めた。さっそく身支度を整えて、中正紀念堂に向かう。9時からの衛兵交代式に間に合うと思ったのだ。
中正紀念堂に着いたのは8時50分くらいだけど、すでに衛兵交代式が始まっていた。
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バッキンガムの衛兵交替式に比べて、衛兵の服装が地味。特に工事現場の作業員みたいな白いヘルメットが目立つ。観光客用のショーのように捉えられがちな衛兵交代だけど、れっきとした軍事行事ということが、この服装から感じられた。
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体型はともかく、みんな背丈がほぼ同じなのがすごい。整列美を演出するため、あえて同じ身長で揃えたのだろうか?

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中正紀念堂。1980年に建てられたそうで、別に皇帝専用の道とか必要ないだろうに、なぜか階段の真ん中に皇帝専用の道(白い部分)があるのが面白い。蒋介石を皇帝と見立てたのだろうか?

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蒋介石像。数年前にワシントンのリンカーン記念館を訪れたことがあるが、あのリンカーン像を彷彿とさせる造りだ。歴史の本を読んだだけでは、この人が台湾でこんなに巨大な像を建てられてるとは思いもよらなかった。私はわりと蒋介石が好きなのだが(毛沢東に負けたという判官びいき込みで)、それでもこれは意外だった。こんな銅像になるほどの偉人じゃないやろー、と思ってしまう。
でもこの像と、この広大な紀念堂とその敷地を見ただけで、蒋介石がこの国で長年、絶対的な権力者だったことが分かる。百聞は一見にしかず。歴史の本を何冊も読むよりも、たった一度その国を訪れた方がより歴史を実感できる。

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でも観光客は蒋介石の像よりも、もっぱら、その前に立つ衛兵にカメラを向けていた(笑)。蒋介石人気ない…。

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地下に降りると、そこはギャラリーになっていて、ここで個展を開催しているアーティストがスピーチしていた。

階段を上がると、そこは「中央通廊」という広々とした展示スペース。この日は中華民国の抗日戦争展をしていた。
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南京大虐殺の絵。上から見下ろし、笑っている日本兵の顔がいかにも悪役。そういえば去年のGWに行った北京の中国国家博物館でも、南京大虐殺がテーマの彫刻の展覧会があった。

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紀念堂の前では「アナと雪の女王」のアトラクションが開催されており、そのテントがどーんと建てられていた。アナ雪は台湾でも人気らしく、親子連れの長い行列ができていた。

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正門から見た紀念堂。中国旅行の後だと、台湾のこういう中華風建築の新しさ、きれいさを痛感する。台湾ってほんと、まだ新しい国なんだなあ。

この日のお昼ご飯はどこにしようか決めていなかったが、『歩く台北』を開くとこの付近に魯肉飯の人気店「金峰魯肉飯」があるのを発見。さっそく地図を頼りに店に向かうが、方向音痴のため反対方向に歩いたりして迷ってしまい、ようやく店にたどりつけたのは1時間半後だった。
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迷ったせいでもう13時半になっていたが、それでも店の前は長蛇の行列。日本ではわざわざ行列に並ぶなんてことはしないけれど、旅行先では並ぶ。めったに来れない異国、どうせならおいしい料理が食べたいし。
回転が早いのか、行列はわりとサクサク進んだ。この時にはすでに「イーウェイ(ひとり)」という中国語をマスターしていたので、店員に「イーウェイ」と伝えると、スッと店内に入れてくれた。やっぱり一人って身軽。

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魯肉飯だけだと物足りないので、苦瓜排骨湯も頼んだ。メニュー名からは肉が入ってなさそうなのに、骨付きの牛肉がゴロゴロ入っていた。食べきれるか不安だったが、やさしい味わいのスープだったこともあり、ぺろりと平らげられた。
看板メニューの魯肉飯も、油っこくなくて、肉そぼろも程よくパサついていておいしい。この時はまだ他店で魯肉飯を食べていなかったので比較対象がなく、金峰の魯肉飯も「こんなもんかな」と感じたが、翌日にワンタンの店で魯肉飯を食べた際、金峰の魯肉飯がいかにおいしいかを実感した。まあワンタンの店に、ワンタンにセットでついてくる魯肉飯の味を期待するのがそもそも間違ってるかもしれないが。

遅めのお昼ご飯の後、腹ごなしに周囲を散策しようと地図を広げたら、ふと、見覚えのある地名を見つけた。

牯嶺街。

これはあの台湾映画の名作「牯嶺街少年殺人事件」の舞台となった街の名前ではないだろうか。
映画はかつて、牯嶺街で実際に起きた事件を元にしているという。
あいにく私はその映画を見ていない。見たいのだけど、日本ではDVDが出ていないようなのだ。
なので映画に思い入れはないのだけれど、せっかく牯嶺街の近くに来たのだから、ぜひその街を歩いてみたいと思った。

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牯嶺街と名付けられたこの通り。経済発展なんてどこ吹く風というような、古い建物が多い。飲食店の値段も安く、地元民しか通らないような庶民的な通りだった。
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牯嶺街で印象的だったのは、古本屋が多いこと。古本屋街とまではいかなくても、ちょっと歩いただけで3件くらい古本屋を見つけた。使用済みのハガキを売っている店もあって、なかなかマニアックな通りだ。
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額縁屋?が二件並んでいる。あまり観光客には縁のなさそうな店が多い。

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かと思えば、ガレージと二階の窓に、一つ目小僧のオブジェを飾っている家があったり。

歩き疲れてきたので牯嶺街を後にして、最寄りの駅である古亭駅に向かう。その途中で、「南福宮」という小さい廟を見つけ、中に入った。後でネットで調べてみると、航海・漁業の守護神である道教の女神、媽祖の廟らしい。
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歩き疲れてきたので牯嶺街を後にして、最寄りの駅である古亭駅に向かう。その途中で、「南福宮」という小さい廟を見つけ、中に入った。後でネットで調べてみると、航海・漁業の守護神である道教の女神、媽祖の廟らしい。
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廟の奥には媽祖の像があった。私が会話帳を指差しながら中国語で「写真撮っていいですか」と聞くと、中にいたスタッフは笑顔で快諾してくれた。が、その時は中でお祈りしている人がいたので、建物の外で待っていた。するとほどなくしてさっきのスタッフがやってきて、日本語で「今なら、中に入って撮ってもいいですよ」と教えてくれた。見ると、お祈りしていた人がもう帰った後だった。
日本語で意思疎通ができるのもすごいが、わざわざ教えに来てくれる、そのやさしさが胸にしみた。
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媽祖の像。

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台湾でもスターウォーズが公開中。帰りに利用した、古亭駅のホームにも看板があった。ハン・ソロのハンは、やはり中国語では「韓」なのね。
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冷風しか出ない「エアコン(暖)」
私はホテルごとあちこち移動する旅行よりも、一カ所にじっくり滞在して、ホテルを拠点に日帰りであちこち行く旅行が好きだ。なので台湾でも、台北に7泊する予定を立てた。つまり同じホテルに7連泊するわけで、なるべく利便性がよく、居心地のいいホテルに泊まりたかった。
今回、選んだのはエリンホテル (伊倫商務会館)。ここを選んだ理由は、なんといってもMRTの駅から近いこと。松江南京駅から徒歩1分もかからないし、松山新店線と中和新蘆線、二つの路線を利用できるのも便利そう。
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旅行中、毎日利用した松江南京駅。この7番出口から、ホテルまでは徒歩1分弱。
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細い路地を挟んだ二棟の建物がエリンホテル (伊倫商務会館)。私が今回、泊まったのは右側の棟。

「便利そう」という理由で選んだこのホテル、実際とても便利だった。交通至便なことが一番の理由だったので、室内の設備は最低限のものがあればそれで良かったけれど、嬉しい事にバスタブがあった。
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インテリアもクラシカルで女性好み。毎日の清掃も行き届いていて清潔だった。

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私が泊まったのは202号室。中国語だと「アー、リン、アー」で、毎日のようにこの単語をフロントに告げて鍵をもらっていたので、覚えてしまった。
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ホテル内の階段もクラシカル。

難点としては、エアコンの暖房がきかないこと。一応、エアコンで「暖房」は選択できるのだが、どうみても冷風しか出てこない。後で台湾在住の人に聞いた話では、台湾のほとんどの建物は暖房設備が整っていないそうで。なので夏はともかく、冬の室内はとても寒い。夜、ホテルで寝るだけならまだしも、私はホテルで仕事をしなければならなかったから、室内の寒さはこたえた。コートを着て布団を脚に巻き付け、震えながらパソコンで原稿を書くはめに。

そんな訳で室内の暖房がきかないことは辛かったけれど、それ以外は大満足のホテルライフだった。特に立地。実際に泊まってみて分かったけれど、「MRTの駅に近い」だけでなく、周辺に地元民向けのローカルな店が多くて、散策するたびに新たな発見があった。
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ホテルのすぐ近くにある四平街陽光市場。服やバッグ、靴などのお店が多く、「地元OL御用達」の市場だそう。

でもこの市場に一軒だけ、日本だと「マルシゲ」のようなお菓子屋さんがあり、珍しい台湾のお菓子がいろいろあって、見ているだけで楽しかった。「譽展蜜餞行」というお店で、他から仕入れたお菓子だけでなく、このお店がオリジナルで作っているお菓子もいろいろとある。そのうちのひとつがこちら。
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このお店で買ったお菓子はこれ一つだけだけど、当たりだった。たっぷりのレモンクリームをサクサクのクラッカーでサンドしたお菓子で、「台湾ならでは」という感じがしないのでお土産には不向きかもしれないが、旅行中の「自分のおやつ」にはうってつけ。

他にもマンゴーをはじめとしたドライフルーツや黒ピーナッツなど「台湾ならでは」のお菓子も豊富に揃っているので、お土産探しにも便利なお店だ。迪化街をぎゅっと凝縮したような品揃えで、かといって迪化街ほど観光客が多くないので、お店の人がお客を放置してくれるのがいい。迪化街のように、すぐに店員が話しかけてこないので、おいしいお菓子探しに没頭できる。ドライフルーツ類は試食もできるし。

そして、ホテルのすぐ隣には四平公園があり、私の泊まった部屋の窓からはその公園が一望できた。
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小さな公園だけど子ども用の遊具と、大人も利用できる運動設備があり、毎朝、ここで年配の方が運動していた。
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日本語の洪水、九ふん。
■一日め〈12月25日〉

「甘記華茄刀削麺」で遅いお昼ご飯を食べた後は、九份へ。
九份といったら台湾屈指の観光地だし、とりあえず行っとこう、という軽い気持ちの九份観光。できれば事前に、九份を舞台にした映画『非情城市』を見ておきたかったけれど、ツタヤにもゲオにもなかった。実店舗だけでなく、ネットレンタルのツタヤディスカスにもない。ヴェネチア映画祭グランプリの有名な映画やのに、なんでやねん(怒)。日本のたいていのガイドブックにも「九份は映画『非情城市』の世界」とか書かれているのに、その映画を日本で見る機会がほぼないってどういうことやねん。
ちなみに九份といったらこれも有名な映画『千と千尋の神隠し』は、興味がないので見ていない。

台北市内から九份には、バスで行くのが安上がりだと事前にネットで調べていた。そこでそのルート通りに、忠孝復興駅の2番出口を出る。するとそこはSOGOの中。そのままSOGOを出て前の横断歩道を渡ると九份行きのバス停がある。この時は、バス停の後ろにすでに長い行列ができていたので、すぐ分かった。

このバス停から、1062番の「金瓜石」行きのバスに乗車。すると乗り換えなしで九份に行ける。ネットには片道115元(460円)で行けると書いてあったけど、この日はさらに値下がりしていて、片道100元(約400円)だった。やすっ。

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バスに乗ってお金を払うと、バスの写真がプリントされたプラスチックのカードを渡された。その下に持っているのは悠遊卡(EasyCard)。桃園國際空港で買ったのだけれど、その際にカウンターの係員に念を押されたように、ここで買うとカード返却時に、デポジットの100元が返ってこない。私は空港から台北市内行きのバスに悠遊卡を使おうと思って空港で買ったが、そのバスでは悠遊卡は使えなかったので、空港で買った意味ナシ。台北市内のMRT駅で買った方が、カード返却時にデポジットの100元が返却されてトクなので、次からは台北市内のMRT駅で買おうと思う。
まあ次に台湾に行く時は、桃園國際空港と台北市内を結ぶMRTの路線が完成している可能性が大。なので空港のMRT駅で悠遊卡が買えるはず。

バスに乗って約1時間半。他の大勢の乗客と一緒に「九份老街」のバス停で降りる。台北市内では小降りだった雨が、本降りになっていた。
九份は予想以上にすごい人。ショップが軒を連ねる基山街を、人ごみをかきわけるようにして芋圓の有名店「阿柑姨芋圓」に向かう。一応飲食関係の執筆業なので、「おいしい」といわれている店にはとりあえず行こうと思っていた。九份だと「阿柑姨芋圓」だ。
幸い、それほど並ぶこともなく店内に入れた。一人なので、窓に面した展望席にもスッと座れた。二組のカップルの間に席が一個、ぽつんと空いていたのだ。こういうときに一人旅の身軽さを感じる。
雨なので展望はイマイチだったけれど、つくりたてという芋団子はホクホクで、その素朴な甘みが疲れた体を癒してくれた。
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この芋団子さえ食べられれば、後は特に目的がない九份。傘の花が咲くなか、とりあえず夕方まで街をうろうろする。往年の「アジアのゴールドタウン」はすっかり観光地化していて、ノスタルジックな風情も何も感じられない。日本からの団体ツアー客も多く、日本のどの観光地より日本人が多いんじゃないかと思うほど、日本人でごった返していた。私もツアーの添乗員にツアー客と間違えられて、声をかけられてバスに乗せられそうになった(笑)。

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「阿柑姨芋圓」の向かいにあった「九份秘密基地」と、放し飼いらしき犬。

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観光地によくある、顔出し看板の集合スペースもあった。

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家族連れもよく見かけた。子どもの「もう帰ろうよ〜」と言う日本語が聞こえ、声の方を見ると、その親がイライラしながらその子を叱っていた。そりゃ、小さい子にはつまらないだろう。無理に連れて来る親が悪い。
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でも、ちょっとメーンルートを離れるととたんに人がいなくなり、静かに「坂の町」の風景を楽しむことができた。
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「九份は帰りのバスが激混み」と聞いていたので、夕景を楽しむのもそこそこに、17時頃バス停に行く。台北行きのバスが停まるバス停は、思ったより待ってる人が少ない。と思ったら、後からどんどん人が増えて来た。
ここではバスに乗り込む順番などなく、とにかく早いもの勝ちだと聞いていた。幸い、しばらくして来たバスは私の目の前に止まったので、そのまますんなりバス に乗れた。が、後ろの方では人ごみをかきわけ、我先に乗り込もうとする人たちのバトルが繰り広げられていた。家族連れは特に大変だったようで、こういう時にもまた、一人旅の身軽さを感じる。
バスの車中では、台北に着くまでの一時間半、ずっと兄弟らしき日本人の子どもが3人、大声ではしゃいだり歌ったりして 騒々しかった。親は全く注意しないし。九份でもひっきりなしに周囲から日本語が聞こえてきたし、台湾に来て一日目で、早くも日本人の多さに……というか、 聞こえて来る日本語の多さにげんなりする。日本人が多いのは、そういう私も日本人だから別にいいんだけど。周囲から聞こえてくるのが日本語ばかりだと、「異国にいる」という感じがしない。

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そうこうしているうちに台北に到着。駅に行くためSOGOの前を通ると、クリスマスツリーが目に飛び込んで来た。すっかり忘れていたけど、そういや今日はクリスマス。これからディナーを食べに行かなくては。

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これが今夜のディナー。ホテル近くの大衆食堂「八珍小吃」で食べた「快餐」という定食で、ご飯、スープに、四品のおかずがつく。見た目茶色ばっかりで地味だ けれど、いかにも家庭料理といったほっこりする味付けで、しみじみおいしい。「台湾料理の味付けは日本人の口に合う」とはこういうことかと納得した。
一人用の定食というのがまた、一人客にはありがたい。店に入ったのは閉店間際の21時前だったけれど、快く注文を受けてくれたり、「お客が自分でご飯とスー プをよそう」という店のルールを私が知らないと気づくと、ご飯とスープをよそって持って来てくれたりと、店員さんの対応もあたたかかった。

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路地裏の大衆食堂。次は複数で来て、いろんな料理を頼んでみたい。
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「台湾って、つまんなさそう…」
普通、旅行前にその国のガイドブックなどを読んで準備している期間って、どんどん旅行への期待が高まってモチベーションが上がるものだと思うのだけれど。今回の台湾旅行では初めて、「旅行準備中にモチベが下がる」という経験をした。
だって本を読むと「親日国」とか「日本語が通じる率が高い」とか「料理がおいしくて味付けは日本人の口に合う」とか、日本人に都合のいいことばかり書いてあって、本当に旅行しやすそうな国で、かえって「なんかつまんなさそう……」と。
別に旅行上級者を気取るわけではないけれど、あまりにも居心地のいい環境だと「異国を旅してる」感じがしなくて、つまらなく感じてしまう。たとえば去年、経験したタイとカンボジアの国境のように、暑い中長時間並ばなくてはならないような、旅行者にはちょっと過酷な環境の方が「異国を旅してる」感じがしてワクワクする。……と、その国境で出会って友達になった鏡子さんにも旅行前にメールで書いた。もちろん命の危険を感じるような「危険な環境」は嫌だけれど、「過酷な環境」は嫌じゃない。体力的にちょっとハードだったり、どうにも言葉が通じなくて困ったり、どうしようもなく孤独を感じたりするような経験があった方が、旅行としては面白い。

と、旅行前は思っていた。あさはかだったと、旅行を終えた今になって思っている。旅行の醍醐味って、そうした表面的な「非日常性」ではなくて、もっと内面的なものーー例えば普段の生活では会えないような人と巡り会えたりとか、本で読んだだけの歴史をこの目で実感したりとか、そういうことにあるのだと、台湾を旅行して気づいた。9カ国目にしてようやく旅行の本質に気づかされた、今回の旅行だった。

■初めての台湾、初めてのLCC
そもそも台湾に行こうと思ったきっかけは、半年前の中国旅行。北京の故宫博物院に行って、でも歴代皇帝の宝物はここじゃなくて台湾にあると知り、次は台湾の故宮に行こうと決めた。
それに台湾だったら、格安のLCCで行ける!せっかく近くの関空からピーチが飛んでるのに、これまでわりと遠い国への旅行が多かったから、LCCは利用したことがなかった。今回、ピーチで購入したフライトは大阪(関空)ー台北(桃園)が往復で26,330円。やすーい。

■一日め〈12月25日〉
今回は本当に、直前まで仕事をしていた。それでも終わらなくて、結局旅行中も、夜はホテルで仕事をしなくてはならないはめに。まあ一人旅だし、夜はホテルでゆったり過ごす派だから別にいいんだけれど。気分的に、旅行中も仕事を引っ張るというのが、100%旅行を楽しめない感じがしてちょっと残念。
でもこれは、10泊11日という長期旅行の計画を立てた私が悪い。そりゃ仕事終わらんわ。フツーは12月28日くらいまで仕事するもんだし。それを私は早々に24日で切り上げて、25日の朝から旅行に出発。

朝、7時50分発の飛行機で台湾へ。LCCだともっと早い便もあって、これはまだ遅い方だと思うけれど、LCC初搭乗の私にとっては今まででもっとも早朝のフライトかも。
たぶん、そのせいだろう。朝、まだ暗いうちから起きて慌ただしく家を出た私は、「旅行の必需品」として買っておいたガイド本『歩く台北』を家に忘れてきたことに、関空行きの電車を待つ駅のホームで気づいた。だが今から家に取りに帰る時間はもうない。
関空内の本屋で売られているかも。そのことに望みをつないで電車に乗り、関空に向かう。のっけから大チョンボで、先が思いやられる…。

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関空は毎年恒例のウィンターイルミネーションで華やか。だがイルミネーションを楽しむ余裕もなく急いで第1ターミナルに行き、インフォメーションのお姉さんに書店の位置を尋ねたが(自分で探す時間がなかったので)、あいにくこの時間はまだ書店はオープンしていないとのこと。
仕方なく、ピーチ航空が発着する第2ターミナルに向かう。だがさすがLCCが使うターミナルだけあって、ここの書店は開いていた!そして『歩く台北』もあった!
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さっそく本を購入。そういうわけで帰国後、フライト前に空港で買ったものと、旅行の数日前に買ったもの、二冊の『歩く台北2015-21016』が私の手元に残ることに。
すっかりくたびれてしまっている右の本が、旅行で使った方だ。
同じ本が二冊……これは今回使わなかった方の本を使うために、また台北に行けということやね?

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うっかり忘れてきた本も買えて、安心して搭乗する。やった、大好きなタラップ搭乗。もうそれだけでテンション上がる。小型飛行機はジャンボ機に比べて揺れやすいのが難点だけど、このタラップ搭乗があるから大好き。

約3時間のフライトはあっという間。初めて訪れた台湾、空はあいにくの雨模様。機内の窓から見た桃園国際空港は、思ったより小さな、こじんまりした空港だった。
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空港からはバスに乗って台北市内に向かう。私は台北では松江南京駅近くのホテルに7連泊するので、松江南京駅を通る路線のバスを『歩く台北』で調べ、そのバスに乗る。やっぱり『歩く台北』が買えて良かった〜。
バスが桃園から台北市内に入っても、まだ細かい雨が降り続いていた。空港から約40分、松江南京駅に着いたのでバスから降りる。そのままホテルに向かうつもりが、反対方向へと歩いていたらしく、慌ててまた一駅ぶんを歩いて戻る。方向音痴のくせに、自信満々にどんどん歩いて行ってしまい、道に迷う悪癖がまったく直らない。これだから、友達と一緒の旅行が危なっかしくてできないのだ。自分一人なら道に迷っても自分がしんどいだけだけど、友達連れだと、「自信満々に歩いて行くから道を知ってると思ってたのに、なんで迷うの?」と友達を不機嫌にさせてしまうこと間違いなし。

雨の中、ようやくたどりついたホテルはエリンホテル (伊倫商務会館)。時計は13時過ぎだったけど、このホテルのチェックインの時間は15時。そこでチェックインせずに、ロビーにスーツケースだけ預けてすぐまた外へ。
この日はお昼を食べた後、九份へ行く予定を立てていた。いつも観光客で混雑しているという九份だけど、土日はさらに混雑すると聞いていたので、なら金曜日の今日、行っておこうと考えたのだ。

お昼をどこで食べるかは決めていなかったけど、ホテル周辺をうろうろしていたら、行列ができている店を発見。見ると、看板にはトマトのイラストと「甘記華茄刀削麺」の文字。ここがあの人気のトマト牛肉麺のお店か!早速私も行列に並んだ。
店先では店員のおじさんが刃物でうどん玉を削り落としていて麺を作っていた。なるほどだから「刀削麺」なのか。
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台湾に来て初めて食べたこの華茄(トマト)牛肉麺、さっぱりとした酸味のトマトスープに、もちもちと歯ごたえのある麺がからんで、行列も納得のおいしさだった。ごろんと入った大ぶりの牛肉も柔らかく、良質の肉を使っているという感じ。値段は140元(約560円)。
初めて訪れた国で、初めて食べた料理がおいしいと、がぜんその国が好印象になる。華茄牛肉麺が期待以上に私の口に合ったことで、来る前はあんまりモチベが上がらなかった台湾旅行ががぜん楽しみになってきたのだから、本当に食い意地が張っているというか、胃袋でモノを考えるというか(笑)。
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左端のお店が「甘記華茄刀削麺」。14時過ぎなので、このときはすでに行列はなくなっていた。
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