前置きの長いイギリス菓子店
2012.05.15 Tuesday
イギリス料理はまずいといわれる。いや実際にまずいんですよと、林望も書いていた(ように思う)。なので4年前のイギリス旅行の際には、旅行前にネットで「おいしい店」を調べてから行った。現地に住んでいる日本人が「ここのパイはおいしい」と推薦するパブや、インド料理店など。その甲斐あって、食べられないほどまずい店には当たらなかったし、そこそこ充実した食体験ができた。でも今思うと、せっかくイギリスに行くんだから、本当にまずいかどうか体験してもよかったかもと、ちょっと後悔していたりする。事前調査もなにもせず、適当にそこらのパブやカフェに入ればよかったかなあ、と。
イギリス旅行をした人と話をしていて、「やっぱり料理はイマイチだったよねー」と言われたときも、心から共感も、そして反論もできないのはなんだか寂しい。そんなとき、「いや、評判のいい店を選べば、まあまあおいしいよ」と答えるのはちょっと違う気がするし。だって「店を選べばおいしい」なんていうのは当たり前だし。適当にふらりと入った店でもまあまあおいしい、というレベルで初めて、「その国の食水準が高い」といえるのだと思う。
そういう訳で、イギリス料理かまずいかどうかは、実体験に乏しいので断言できない。でもイギリスの焼き菓子はおいしい。これは実体験から断言できる。特にスコーンやショートブレッドなど、紅茶に合う焼き菓子がおいしい。スコーンは大きく分けて「パサパサタイプ」と「しっとりタイプ」の二種類あるが、ロンドンではその二種類をそれぞれ別のティールームで味わえた。レストランに関しては事前調査をした私だが、ティールームに関しては適当に近くの店に入っても全然OKかもしれない。もうこの際、下手にレストランなど入らずに、3食全てティールームですませてもいいんじゃないかとふと思うが、それは日本にいるから思うこと。やはり旅行中は、昼にスコーンを食べると、夜は別のものが食べたくなるものだ。たとえそれがあまりおいしくなかったとしても。
前置きが長くなった。そんなわけで、玉造(たまつくり)にイギリス菓子の専門店があると聞いた時には心が騒いだ。しかもオーナーパティシェがイギリス人とか。行かな。これは行っとかな。
大阪女学院の隣にある「ブロードハースト」というお店。あの界隈は大阪クリスチャンセンターもあるし、わりとよく行く場所なんだけど、そんなお店があったとは知らなかった。2002年オープンというから、そんなに新しい店でもないし。
なぜ今まで気づかなかったんだろうという謎は、先日、その店を訪れたときに解けた。きっと、外観がケーキ屋さんっぽくないからなんだ。ケーキ屋というより、スタイリッシュなヘアサロンといった雰囲気。だから今まで気づかなかったのだろうと。

外観だけ見るとヘアサロンのよう。ちなみにイギリスはヘアカット技術の先進国でもある。

隣は大阪女学院。この界隈は緑が多く、落ち着いた街並みで散策が楽しい。
坂が多いので、上りはちょっときついけど。
店内に入ると正面に、生ケーキが並ぶショーケースがある。イギリスの焼き菓子なら幾つも思いつくけれど、生ケーキってどんなものか、行くまで想像がつかなかった。
ショーケースの中にあるのは、店のロゴと同じくパキッとした色使いの、カラフルモダンなケーキだった。日本の洋菓子店に多いフランス系のケーキや、スイス系のケーキのどちらにも似ていない。これがイギリス系のケーキ? いや、パティシェであるブロードハースト氏の創作ケーキという方が正しいだろう。説明書きを読まないと、見た目からはどんなケーキか想像できないものが多い。これを「食べるまでドキドキワクワクを楽しめる」ととらえるか、「どんな味かイメージできなくて不便」ととらえるかは人それぞれ。
ショーケースの隣の焼き菓子コーナーには、イギリスの伝統的な焼き菓子が並んでいた。伝統とモダンが違和感なく並んでいる、いかにもイギリスらしいお店だと感じた。
入口横には、テーブルが4つ並んだ喫茶スペースもあり、せっかくなのでここでイートインすることにした。人気のケーキらしく、最後の一個になっていた「マンボ」とアイスティーを注文。

おそらくほとんどの人が写真を撮りたくなるだろう、スマイルマークのケーキ「マンボ」。マンゴームースの下にはチョコチップ入りスポンジが隠れており、食感の変化が楽しめた。
ガラス張りの壁に沿った喫茶スペースは、明るく開放的な雰囲気。しかし隣席との間隔が狭い上に間仕切りもなく、また入口のすぐ横なので、ケーキを食べている横でお客が出たり入ったりする。なのであまり落ち着けなかった。これって偏見かもしれないけど、もしオーナーが日本人なら、こういう配置にはしないんじゃないかと。喫茶スペースを入口の隣ではなく、店の奥に配置するんじゃないだろうか。そういうところにも店の個性が出ているようで、面白かった。
しかし入口横だと落ち着かないというのは、それだけよくお客が出入りする、人気店だということだろう。ケーキや焼き菓子を買っていくテイクアウトのお客が多い。私もケーキを10分ほどで食べ終えると、焼き菓子コーナーに行き、買って帰るお菓子を物色。普通のスコーンは売り切れていたのでフルーツスコーンと、ショートブレッド、それと名前は忘れたけど「イギリス版クイニーアマン」とプレートに書かれていたお菓子を購入した。
購入した焼き菓子には、どれにも「本日中にお召し上がり下さい」と書かれていたけど、本日中に食べたのはショートブレッドだけ。店を出た後に撮影の仕事に行き、終わったのが夜8時。空腹を癒そうと、駅のホームでショートブレッドを一口食べたら、そのおいしいこと。芳醇なバターの香りが口中に広がり、「一口だけ」のはずが、瞬く間に丸ごと一個食べてしまった。おかげでかなりお腹が満たされた。カロリーメイト感覚で、小腹が空いたとき用にかばんに一個常備しておきたくなった。
残りの二つは、翌日の朝に食べた。そのせいか、どちらも少し固くなっていて、本来のおいしさを味わえなかったようで残念。焼き菓子って日持ちするイメージだけど、この店のようにバターをたっぷり使った焼き菓子は、油分が時間の経過と共に酸化するため、なるべく早く食べた方がおいしいのだろう。次に買ったときは、その日のうちに食べてみたい。今度は喫茶スペースではなく、近くの公園のベンチとかで。想像力をたくましくすれば、旅行したとき訪れた、ロンドンのリージェンツパークでピクニックをしている気分になれるかもしれない。

フルーツスコーン

イギリス版クイニーアマンと、ショップカード。ロンドンの地下鉄マークをアレンジしたようなロゴがオシャレ。
イギリス旅行をした人と話をしていて、「やっぱり料理はイマイチだったよねー」と言われたときも、心から共感も、そして反論もできないのはなんだか寂しい。そんなとき、「いや、評判のいい店を選べば、まあまあおいしいよ」と答えるのはちょっと違う気がするし。だって「店を選べばおいしい」なんていうのは当たり前だし。適当にふらりと入った店でもまあまあおいしい、というレベルで初めて、「その国の食水準が高い」といえるのだと思う。
そういう訳で、イギリス料理かまずいかどうかは、実体験に乏しいので断言できない。でもイギリスの焼き菓子はおいしい。これは実体験から断言できる。特にスコーンやショートブレッドなど、紅茶に合う焼き菓子がおいしい。スコーンは大きく分けて「パサパサタイプ」と「しっとりタイプ」の二種類あるが、ロンドンではその二種類をそれぞれ別のティールームで味わえた。レストランに関しては事前調査をした私だが、ティールームに関しては適当に近くの店に入っても全然OKかもしれない。もうこの際、下手にレストランなど入らずに、3食全てティールームですませてもいいんじゃないかとふと思うが、それは日本にいるから思うこと。やはり旅行中は、昼にスコーンを食べると、夜は別のものが食べたくなるものだ。たとえそれがあまりおいしくなかったとしても。
前置きが長くなった。そんなわけで、玉造(たまつくり)にイギリス菓子の専門店があると聞いた時には心が騒いだ。しかもオーナーパティシェがイギリス人とか。行かな。これは行っとかな。
大阪女学院の隣にある「ブロードハースト」というお店。あの界隈は大阪クリスチャンセンターもあるし、わりとよく行く場所なんだけど、そんなお店があったとは知らなかった。2002年オープンというから、そんなに新しい店でもないし。
なぜ今まで気づかなかったんだろうという謎は、先日、その店を訪れたときに解けた。きっと、外観がケーキ屋さんっぽくないからなんだ。ケーキ屋というより、スタイリッシュなヘアサロンといった雰囲気。だから今まで気づかなかったのだろうと。

外観だけ見るとヘアサロンのよう。ちなみにイギリスはヘアカット技術の先進国でもある。

隣は大阪女学院。この界隈は緑が多く、落ち着いた街並みで散策が楽しい。
坂が多いので、上りはちょっときついけど。
店内に入ると正面に、生ケーキが並ぶショーケースがある。イギリスの焼き菓子なら幾つも思いつくけれど、生ケーキってどんなものか、行くまで想像がつかなかった。
ショーケースの中にあるのは、店のロゴと同じくパキッとした色使いの、カラフルモダンなケーキだった。日本の洋菓子店に多いフランス系のケーキや、スイス系のケーキのどちらにも似ていない。これがイギリス系のケーキ? いや、パティシェであるブロードハースト氏の創作ケーキという方が正しいだろう。説明書きを読まないと、見た目からはどんなケーキか想像できないものが多い。これを「食べるまでドキドキワクワクを楽しめる」ととらえるか、「どんな味かイメージできなくて不便」ととらえるかは人それぞれ。
ショーケースの隣の焼き菓子コーナーには、イギリスの伝統的な焼き菓子が並んでいた。伝統とモダンが違和感なく並んでいる、いかにもイギリスらしいお店だと感じた。
入口横には、テーブルが4つ並んだ喫茶スペースもあり、せっかくなのでここでイートインすることにした。人気のケーキらしく、最後の一個になっていた「マンボ」とアイスティーを注文。

おそらくほとんどの人が写真を撮りたくなるだろう、スマイルマークのケーキ「マンボ」。マンゴームースの下にはチョコチップ入りスポンジが隠れており、食感の変化が楽しめた。
ガラス張りの壁に沿った喫茶スペースは、明るく開放的な雰囲気。しかし隣席との間隔が狭い上に間仕切りもなく、また入口のすぐ横なので、ケーキを食べている横でお客が出たり入ったりする。なのであまり落ち着けなかった。これって偏見かもしれないけど、もしオーナーが日本人なら、こういう配置にはしないんじゃないかと。喫茶スペースを入口の隣ではなく、店の奥に配置するんじゃないだろうか。そういうところにも店の個性が出ているようで、面白かった。
しかし入口横だと落ち着かないというのは、それだけよくお客が出入りする、人気店だということだろう。ケーキや焼き菓子を買っていくテイクアウトのお客が多い。私もケーキを10分ほどで食べ終えると、焼き菓子コーナーに行き、買って帰るお菓子を物色。普通のスコーンは売り切れていたのでフルーツスコーンと、ショートブレッド、それと名前は忘れたけど「イギリス版クイニーアマン」とプレートに書かれていたお菓子を購入した。
購入した焼き菓子には、どれにも「本日中にお召し上がり下さい」と書かれていたけど、本日中に食べたのはショートブレッドだけ。店を出た後に撮影の仕事に行き、終わったのが夜8時。空腹を癒そうと、駅のホームでショートブレッドを一口食べたら、そのおいしいこと。芳醇なバターの香りが口中に広がり、「一口だけ」のはずが、瞬く間に丸ごと一個食べてしまった。おかげでかなりお腹が満たされた。カロリーメイト感覚で、小腹が空いたとき用にかばんに一個常備しておきたくなった。
残りの二つは、翌日の朝に食べた。そのせいか、どちらも少し固くなっていて、本来のおいしさを味わえなかったようで残念。焼き菓子って日持ちするイメージだけど、この店のようにバターをたっぷり使った焼き菓子は、油分が時間の経過と共に酸化するため、なるべく早く食べた方がおいしいのだろう。次に買ったときは、その日のうちに食べてみたい。今度は喫茶スペースではなく、近くの公園のベンチとかで。想像力をたくましくすれば、旅行したとき訪れた、ロンドンのリージェンツパークでピクニックをしている気分になれるかもしれない。

フルーツスコーン

イギリス版クイニーアマンと、ショップカード。ロンドンの地下鉄マークをアレンジしたようなロゴがオシャレ。

















