何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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失望
前の記事で「バラックとレーヴが和解したことで互いの好感度がUP」と書いたけれど、どうやらそれは安直すぎる意見だったらしい。
いやもちろん、和解を知ったほとんどの人は喜んだだろうけれど。中には「なんだよバラック、あんなに怒ってたくせにあっさり和解しやがって」といささか失望しているファンもいたのだ。ドイツに。そして私はそんなファンに、ちょっぴり共感するところがあったのだ。
その意見を見つけたのは、レヴァークーゼンフォーラムのバラックトピ。今回の和解について、「このことでバラックの人気は再び全国的に上昇するだろう。しかし、しかし私は好きになれない。バラックの首尾一貫したところが好きだったからだ」との書き込みが。それに対して、「バラックは自伝をハッピーエンドで締めくくりたいのさ。その方が自伝も売れるし」とか「今後のことを考えて、代表監督とは和解した方が得策だと考えたんだろう。自分の広告価値を下げないためにも」などの賛同めいた書き込みがチラホラと。
唐突に自伝の話が出てきたことに驚いたけど、バラックが「書きたい」とか言ったのだろうか。バラックの伝記はすでにこれまで三冊が出ているけれど(ドイツ語版二冊、英語版一冊)、いずれもジャーナリストが書いたもので、バラック本人が書く「自伝」は初めて。もし出版されても間違いなく日本語版は出ないだろうけれど、どんな内容か楽しみではある。
それはともかく。バラック対レーヴの騒動華やかなりし頃は、あれだけバラックへの応援で沸き返っていた公式サイト掲示板が、今回の和解には全くといっていいほど無反応なのも面白い。もしかして皆さん、がっかりしてる? バラックが「自分から歩み寄って」和解にこぎつけたことに。

これら一連の現象から浮かんでくるのは、ドイツのファンがバラックをどういうイメージで見ているかが、なんとなく分かるということだ。あるファンは「首尾一貫したところが好きだった」と書いた。それはつまりバラックの、「折れない・媚びない・引かない」強さではないだろうか。かなり良い方向に解釈すると(笑)。
たとえ相手が代表監督だろうがDFB会長だろうが、間違っていると思ったら頑として抗うし、意見を曲げない。ドイツ対ブラジルという、これ以上ないほど華やかな代表引退の舞台を用意してもらっても、それを「茶番だ」と言い放って突き返せる意思の強さ。
思い出すのは2011年、バラックが騒動の末に代表引退した際に、expressに載った記事である。去年「nein nein nein !!」にもその記事のことを書いたのでここでは簡単に書くけど、expressの記者が大手広告代理店の重役に「あんな騒動があるとバラックのイメージがダウンして、広告価値が下がったのでは?」と質問したのだ。だが答えは「NEIN」。理由は「彼の自己主張が成功と結びついていることを、ドイツ中の誰もが知っているから」。
つまりドイツ人は、バラックが言いたいこと言う「お騒がせキャラ」ということなんか既に知ってるよ、ということ。そしてイメージダウンどころか、代表監督やDFB会長とも喧嘩ができる意思の強さを愛し、応援していたファンも多かったことを、今回の和解の件で気づかされた。

バラックがいかに昔から色々な騒動を起こしていたか、改めて思い知ったことがある。ネットに残っているバラック最古の記事は何だろうと、ドイツ版グーグルニュースのアーカイブを検索した時のことだ。そこで見つかった「最古の記事」は、1999年。ちょうどネットが一般的になった頃のものだ。バラックがカイザースラウテルンからレヴァークーゼンに移籍する際、何やら古巣に不義理なことをやらかして、カイザースラウテルンのレーハーゲル監督が怒っている、という記事だった。それに対するバラックの反論も載っていて、「レーハーゲル対バラック」の様相を呈していた。ネットに残る最古の記事からして、コレ(笑)。この頃は「まあ、まだバラックも若いし……」と大目に見ていた関係者やファンの皆さんは、まさかそれから10年以上後の引退間際になっても、似たような騒動を起こしているとは思わなかったことでしょう。いや、それとも予想してたかな?
だがあのとき怒っていたレーハーゲルも、今は引退試合の参加者に名を連ねている。そしてレーヴも。かつて対立していた監督たちと和解し、円満にキャリアを締めくくることを「バラックらしくない」と寂しく思うファンの気持ちもよく分かる。だが人間って成長するものだし。その一方で、根本的な部分はなかなか変わらないものでもある。だからもし今後バラックが指導者になったら、またいろいろと騒動を起こしてファンの期待に応えてくれると思うよ。きっと(笑)。
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