何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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【2日目】洪水被害と「別冊バラック」
ライプツィヒに着いた翌朝。朝食を取ろうとホテルの一階に降りると、レストランのカウンターに新聞が何種類か並べられていた。そのうちのひとつ、地元紙LEIPZIGER VOLKSZEITUNGの一面にバラックの写真があったのでそれを取り、窓際のテーブルにつく。
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6月4日付けのLEIPZIGER VOLKSZEITUNG

大雨で住宅街が水浸しになった写真が、大きく一面を飾っていた。2面、裏面も大雨による洪水被害の記事で、今、ドイツを含むヨーロッパで深刻な被害が広がっていることが、写真を見るだけでもよく分かった。

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2面。寝たきりで動けない人を、レスキュー隊員が家から運び出している。

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裏面。避難していた人が、様子を見に自宅に戻ったのだろうか。水浸しになった我が家を呆然とした顔で見渡している。

これらの写真を見てもまだ私は、被害の深刻さを実感できていなかった。ドイツ国内でこれだけの被害が出ているのに、どこか「遠い国の絵空事」のような感覚で、ぼんやりとそれらの写真を眺めていた。
ライプツィヒでは、少なくとも私がいる中心部では、洪水被害など全く感じられなかったからだろう。だから新聞が報じている洪水被害も全くの「他人事」で、それよりも今日、行くことになっているライプツィヒ動物園のことや、明日の引退試合のことしか頭になかった。自分が楽しむことにばかり夢中で、周囲で何が起こっていようが無関心だったのだ。
この時もブッフェ形式の朝食を食べながら、新聞に「一冊丸ごとバラック特集」の別冊が挟み込まれていたことに気を取られ、洪水被害のことなどすっかり忘れて、その「別冊バラック」を読んでいた。

LEIPZIGER VOLKSZEITUNGに挟み込まれていた別冊バラック。内容については下記の記事を参照。
旧東独メディアの「本気」を見た。


明日、この地で引退試合があるからこそ、こうして地元紙が「別冊バラック」を作ってくれた訳だけど、実はその引退試合も、洪水のために開催が危ぶまれていた。スタジアムのすぐ近くを流れるヴァイセ・エルスター川が増水して、これ以上雨が降ると試合延期という事態になっていたのだ。そのことを、私は帰国してからニュースを読んで初めて知った。
まあ、当日は天候に恵まれて、無事引退試合は開催されたわけだから、試合前にあれこれ気を揉まなくてすんだと言えるかもしれない。だが問題はそこではない。新聞でこれだけ洪水被害が報道されているにもかかわらず、自分に直接の被害がないからと、無関心でいられるその身勝手さ。単なる「能天気」ではすまされない。「ドイツ語が読めなくて、記事の内容が分からないから」という言い訳もできない。記事は読めなくても、写真を見れば嫌でもその被害の深刻さは分かるのだから。
実際は、この旅行の後半、ドレスデン滞在中にエルベ川の氾濫を見て、ようやくその被害を実感することになる。実際に自分の目で見なければ被害を実感できないとか、想像力がなさすぎる。
今、こうして当日の新聞を手に取ると、別冊バラックが挟まれていた嬉しい驚きを思い出すとともに、「なぜこの時、無関心だったんだろう」という苦い思いがわいてくる。きっと今後も、この新聞を見るたびにそんな思いになることだろう。
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