何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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待ち時間の長い喫茶店
単なる時間つぶしのつもりで入ったら、思いがけず印象的な店だったことがある。先日、出会ったのもそういう店だった。

その日は神戸の六甲道でお仕事。それはいいんだけど、13時からの仕事が15時に終わって、次の仕事は20時から。
5時間もの間、どこでどうやって時間をつぶそう……と途方に暮れかけていた私の救世主となってくれたのがこちらのお店。

「喫茶 月森」

このお店を知ったのは、その日の二日前。もともと六甲道で「パソコン作業&時間つぶし」をするつもりだったから、それができそうな静かな喫茶店を食べログで探していたら、このお店が見つかった。
そのとき、私はこのお店の名物がホットケーキということと、「JR六甲道駅から歩いて行ける距離」ということだけに着目して、「喫茶 月森」でパソコン作業をすることに決めた。六甲道駅からは少し歩くけれど、それもまた「時間つぶし」になるしちょうどいい。

駅からの坂道を上っていくと、ほどなくあたりは住宅街になった。それもわりと大きな邸宅が並んでいる。そんな住宅街の一角に、「喫茶 月森」という看板を見つけた。

もともとブログに載せるつもりはなかったので、外観写真は撮らなかった。私が店に入っても、店主は手を離せないらしく、キッチンで作業を続けている。ドアのすぐ前の席が空いていて、しかも足元にコンセントの電源があったので、これ幸いと私はその席に座った。パソコンで作業したかったので、「コンセントの電源がある」喫茶店は好都合だった。
少ししてから、店主が私の席にやってきた。すでにメニューを選んでいた私は、「紅茶とホットケーキ」を注文した。
すると店主は申し訳なさそうに、「今からだと3時間くらいかかるんですが…」
さ、さんじかん〜?と、普通ならひくだろう。だが5時間の時間つぶしをしたい私にとっては、まさに好都合! 料理が出てくるまで3時間ということは、つまりその3時間は「何も食べずに店にいていい」ということなのだから。
ちなみに私はこのお店を食べログで見つけたが、「ホットケーキがおいしい」という口コミだけ読んで、その後の「ただし待ち時間が長い」という口コミは読まなかった。だからなおさら、店に入ってから思いがけず歓喜したのだ。
私は店主に「いいですよ」と即答して、いそいそとパソコンを出して作業を始めた。店にはカップル一組と、女性2人組の先客がいた。だがどちらも小声で、ささやくようにひそひそと会話している。そう、ここはそんな風に、自然と小声で話すようになる店。というのも、店内がとても静かだから。どれだけ静かかというと、店主がボウルの中の小麦粉や卵を泡立て器で混ぜ合わせる「ちゃっ、ちゃっ、ちゃっ」という音がはっきり聞こえてくるほど。集中して黙々と作業するには、まさに理想的な環境だ。
30分ほどして、赤ちゃんを連れた若い夫婦が店に入ってきた。店主がこの時も申し訳なさそうに「3時間ほどお待ちいただくんですけど」と言うと、夫婦は驚きつつも、奥さんが「でも、せっかくここまで来たんだし」と言って、そのまま席に座った。やっぱり通りすがりじゃなく、この店目当てに坂道を上ってくる「目的客」がほとんどの店なんだなあ。そんなことを思いながら作業を続ける。だがほどなく赤ちゃんがぐずりだして、その夫婦は店主に挨拶して店を出て行った。

それから2時間ほどして、紅茶が運ばれてきた。そしてそれから30分後にホットケーキも到着。始めに店主が行っていた「3時間」より30分ほど早い。
待望のホットケーキは、外はパリッと香ばしく、中はしっとり。この食感を出すために、おそらく低温でじっくりと、時間をかけて蒸し焼きしたのだろう。だからこれだけ時間がかかったのだ。つまりこのホットケーキを味わうには、長い待ち時間は不可欠というわけで、でもこのホットケーキにはそれだけ待つ価値は十分にある、と私はケーキを頬張りながら思った。

DSCF0495.JPG
ブログに載せるつもりがなかったので、食べかけの汚い写真で失礼

結局、私はこの店に4時間ほどいた。会計をすませながら、店主に「電動泡立て器を使わないんですね。それってやっぱり手動じゃないと、あの食感にならないから?」と聞いてみた。すると帰ってきた答えは「電動だとうるさいので…」。
なるほど、この心地よい「静かな環境」は、店主が意識して創り出していたものだったのか。この静けさを維持するために、友達とのお喋りもひそひそ声にならざるををえないため、複数でワイワイ楽しむにはぶっちゃけ向いてない店だ。だが1人で黙々と作業したいときにはまさにうってつけ。次に神戸で「パソコン作業&時間つぶし」をするときは、またぜひこの店に来ようと思う。
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