何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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やっぱりソロが好き
2011年ももう終わろうかというのに、今頃になって、ポールのニューアルバム「ソー・ビューティフル・オア・ソー・ホワット」を聴いている。
2009年のサイモン&ガーファンクル(以下S&G)再結成を経て、つくられたアルバムである。果たしてS&G再結成の影響はあるのか? 私は「ない」と感じたが、「ある」と感じた人もいるだろう。
人は自分の思いたいように、物事を受け止めるものだ。私はS&Gよりポールのソロの方が好きなので、このアルバムで、ポールがさらに進化していることを嬉しく思った。そしてS&G再結成は、ポールにとって「懐かしの同窓会的イベント」であり、それ以上でもそれ以下でもないことが分かって安心した。再結成まっただ中の時にも、「S&Gでニューアルバム作成」なんて話は出なかったし。あの頃の自分に、「ポールはこの後、ソロで素晴らしいアルバムを出すから、そんなにむくれることないよ」と言って安心させてやりたい。

そう、あの頃の私はむくれていた。いくつになっても、それこそアラセブになっても、新しい音楽に挑戦し続けるポールに惹かれていた。なのでS&G再結成には、正直、失望に似た気持ちを抱いていた。それまでも時おり彼らがしていたように、国内で三日間だけS&Gのコンサートをしたり、互いのライブに飛び入り参加したりするくらいならともかく。S&Gとして世界ツアーなんて、まるで「過去の栄光よもう一度」あるいは「懐かしのメロディー」みたいで、ポールらしくない。彼はそんな、懐古主義を売り物にする「ノルタルジック・アーティスト」じゃないはずだ。
むくれていた私は、再結成したS&Gのあらゆるニュースから目を背け、来日コンサートにも行かなかった。91年のソロとしての来日から、実に18年ぶりのポールの来日にもかかわらず。
だがこの18年前のコンサートでの思い出が、S&Gのコンサートに行かなかった理由の一つでもあった。91年、東京ドームで行われたポールのソロコンサートに行った私は、会場に入ってから開演まで、たびたび後ろを振り返っていた。そしてそのたびに、やるせない気持ちになっていた。なんでこんなにガラガラやの……?
日本でのポールの人気・知名度の低さを、「これでもか」とばかりに見せつけられた思いだった。コンサートの主催者も「ポールのソロでは客は呼べん」と悟ったらしく、以後、一度もソロでの来日が実現していない。恐らく今後もないだろう。
その代わり、S&Gとしての来日は実現した。そしてきっと、コンサート会場は満員だろう。私はそれが面白くなかった。それまでもずっと、日本ではポールが「S&GのS」としてしか認識されていないのが不満だった。S&Gのコンサートなら満員になるけど、ポールのソロだと半分も埋まらない。その現実を見せつけられるのが嫌だったのだ。

今、振り返ってみると、私はちょっと意固地になりすぎていたかもしれない。幼なじみでもある二人が、再び一緒に歌うくらい、広い心で許容してやれよという感じ。でもそれも、こうしてポールのニューアルバムを聴いた今だからこそ、思えること。あの頃の私は、「もしやポールはもう、ソロとしての活動をやめてしまうのでは」とちょっと不安になっていたのだ。
でも、そうじゃなかった。彼は今後も、ポール・サイモンであり続ける。そのことの嬉しさを噛みしめながら、これからじっくりニューアルバムを聴きこんでいきたい。
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