何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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去年9月に仕事で徳島を訪れて以来、今、約一年ぶりに徳島に来ている。去年の徳島滞在中に徳島の人から阿波踊りのことを聞き、一度ナマで見たくなったからだ。

去年の徳島滞在記「徳島がアニメのマチだったとは」
http://still-crazy.jugem.jp/?eid=297

■8月11日・鳴門市
去年は和歌山港からフェリーに乗って徳島に行ったが、今回、事前に調べると、大阪市内から高速バスに乗って徳島に行くのと実はそれほど値段が変わらなかった。そこで今回は高速バスで行くことにした。JRなんば駅直結のOCAT内のバスターミナルから出発して、徳島駅まで3時間弱。退屈しそうだったので、バスの出発待ち中に、急に文庫本を買おうと思いついた。それも司馬遼太郎の『項羽と劉邦』が読みたい。幸いOCATには大きな書店が入ってるし…と思って館内表示を見たら、いつのまにか「コミックと雑誌」だけの書店になっていた。がーん。

仕方ないので、5分ほど離れた地下街の書店に行く。それほど大きな書店ではないので期待していなかったが、『項羽と劉邦』があった。らっきー!と思って値段を見たら、710円。た、高い……。だがそもそも本を買うこと自体、久しぶりだし。モノを増やしたくないので、本はもっぱら図書館で借りている。だが出発直前に読みたかった本にどんぴしゃで出会えたのは幸運だと思い、その本を購入した。
新品の本ならではの新鮮なインクの匂いは、やはりいい。
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買ったばかりの文庫本をかばんに入れて、バスに乗って出発。夢中で小説を読んでいるうちに、ふと窓の外を見ると海が広がっていた。もうすぐ鳴門海峡を渡るのだ。
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徳島駅に着いたのは、定刻より30分遅れの14時半。今夜は鳴門で阿波踊りを見るので、この後すぐまた電車で鳴門駅に向かう予定だ。が、その前にお昼ご飯。バスに乗っている時から、「お昼ご飯は徳島ラーメン」と決めていた。いざ徳島について、さあどの店に行く?となると、やはり去年も行った「麺王」に足が向く。なんといっても徳島駅のすぐ近くだし、割とおいしいし。(というより、私はこの店以外で徳島ラーメンを食べたことがないのだが)
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この店のうれしいところは、カウンターに置かれた「ピリ辛もやし」が自由に食べられること。もやしがラーメンに入ってるんじゃなくて、ピリ辛に味付けされて、別にビンに入っているのだ。このもやしが、濃厚なラーメンとよく合う。口の中がさっぱりするのだ。

麺王
http://www.7-men.com/menou.html

一年ぶりに徳島ラーメンを食べた後は、チュロスを買いに徳島駅に戻る。去年ここに来たときにも行ったチュロス専門店「チュチュチュロスカフェ」で、支店が徳島駅前にできたと聞いていたから。しかし本当に、去年行った店にしか行ってない……開拓者精神はないのか、開拓者精神は。

チュチュチュロスカフェ
http://chuchuchurros.com/

チュロス専門店は駅前というより「駅横」にあった。ここではチュロスだけ買う予定だったが、揚げあがるのを待ってる間にメニューを眺めていたら、ソフトクリームを発見。カップとコーンの2種類あったが、いつもコーン派の私はこの時も何も考えずにコーンのソフトクリームを買った。
だが外は猛暑。店を出て10歩も歩かないうちにソフトクリームがとけだし、コーンを伝って下にぽとぽと落ちた。焦って、歩きながら急いで食べる。だってこの後すぐ、鳴門駅行きの電車に乗らないといけないし。あんなに急いでソフトクリームを食べた経験はあんまりない。

だがどんなに焦っても、ソフトクリームってそんなに一気に食べられるものではない。結局、2/3ほど食べたところで、残りを駅のホームのゴミ箱に捨ててしまった。食べかけのソフトクリームを捨てたなんて初めてかも。何の考えもなしにコーンタイプを選んだ私が馬鹿だった。

徳島駅から鳴門駅へは、一車両しかないワンマン電車に乗って行った。各駅停車で、たぶん乗ってる観光客は私ひとり。他は地元民ばかりのようだった。
と思っていたら。鳴門駅に到着したとき、私の他にも電車の写真を撮ってる人が2名いた。うち一人はお遍路スタイル。
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鳴門駅。思っていたよりずっと小さな駅で、駅前の通りも、阿波踊り開催期間中とは思えないほど閑散としていた。

駅近くのホテルにチェックイン。事前にネットで「JR鳴門駅西側特設演舞場」のチケットを買っていた。18時半開場なので、しばらくホテルで休んでから、18時すぎにホテルを出る。

着いた時は「ほんとに阿波踊り開催中なのか」と思うほど閑散としていて、お祭りムードがみじんもなかった街だが、この時間になると屋台が立ち並び、浴衣姿の女性や子どもたちが行き交っていて、お祭りムードをかもし出していた。私も自然と気分が浮き立ってくる。観光客が押し寄せるような大きな祭りじゃなくて、いかにもローカルな、地元民のための祭りというこじんまりした雰囲気が心地よい。
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鳴門駅前に設けられた演舞場。日が沈もうとしている中、静かに祭りの開催を待っていた。

いい席で見たかったので、開演30分前に演舞場に入場し、本部席の斜め向かい側、最上段席に座る。阿波踊りの連は、本部席の前でもっとも力を入れて踊ると聞いていたからだ。

今年の鳴門市阿波踊りは吉本新喜劇とコラボしており、最終日のこの日も新喜劇の役者4人が参加していた。司会のアナウンスで四人の名前が紹介されたが、新喜劇に詳しくない私は末成由美さんしか分からなかった。が、演舞場にいる他のお客に圧倒的に人気があったのはすっちー。踊っているときはあちこちから「すっちー!」の声が飛び、席に座るとサイン責めにあっていた。
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客席でじっくり観覧する暇もなく、次から次にサインを頼まれていたすっちー(左から2番目・左端は末成由美さん)。
だが私は吉本新喜劇の美魔女、由美姉さんに視線が釘付け。なんたってこの黒いモンペ姿の粋なこと!
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踊る姿も、吉本の四人の中で一番サマになってたように思いますよ姉さん。
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左から2番目が由美姉さん、左から3番目がすっちー。

吉本新喜劇の四人が「うず潮連」の先頭に立って躍り込んできて、この夜の阿波踊りがいよいよスタート。
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一言で阿波踊りといっても、連によってそれぞれ個性がある。この連の「女踊り」は夜空に映える鮮やかなピンクの衣装、そして弾むような踊り方に特徴があった。

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優雅な女踊りもいいけれど、私が好きなのは男踊り。ダイナミックで力強い。「暴れ踊り」は特にパワフル!

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女性なのに男性のような衣装を着て「男踊り」のような踊りをしている女性もけっこういた。そこらへんは「男と女」の境目が柔軟に変化してきているのかも。
追記と訂正:阿波踊りを二日続けて見て気づいたが、実はこの踊りは「女ハッピ踊り」というらしい。阿波踊りについて何の知識もなしに、分かった風な感想を書いてしまった。

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鳴りもの隊(と司会の人は呼んでいた)が奏でるお囃子は、ブラックミュージックのようなうねるリズム、グルーブ感があって心地よい。このお囃子も、連によって個性はさまざま。着物の着こなし方も、人それぞれに微妙に違う。袖をまくりあげている人とか。


ほとんどの連は出口付近で、フィナーレとばかりに盛大に太鼓を叩き上げる。この時に腰を揺らしてリズムを取るのが官能的。
写真は、トップで踊りこんできたうずしお連。鳴門市の有名連らしく、徳島市の阿波踊りにも参加して、その迫力ある太鼓で観客を湧かせていた。

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途中で、一般客も参加できる「にわか連」の踊りがあった。先頭に立って踊るのは鳴門うずしお大使の二人。その後ろで踊っている着ぐるみは、見るからに暑そう。中の人は大丈夫なのか。

それぞれの連にはけっこうな割合で子どもたちも混じっており、拙いながらも懸命に踊っているのだが、そんな子どもの踊りを見ても「かわいい」とかあんまり思えない心の冷たい私。「ぎこちない子どもの踊りより、もっと上手い大人の踊りが見たい」とか思っていた。でも子どもたちも参加できるからこそ、こうして阿波踊りが脈々と受け継がれていってるんだよね。

「鳴門市連」というのもあって、鳴門市長が先頭に立ってノリノリで踊っていた。この市長は最後の総踊りでも皆の真ん中でエネルギッシュに踊っていた。「踊る市長」だ。
また鳴門らしく、踊りで「うず潮」を表現していた連も多かった。
しかしどの連も、基本的にその連の人たちはみな同じ振り付けだから、「上手な人」とそれ以外の人との差がよく分かる。そして自然と上手な人を目で追い続け ることになる。身のこなしが軽やかな人とか、手先・足先がぴんとまっすぐ伸びている人。そういう人は優雅で、疲れているはずなのにそれをちっとも感じさせ ない。
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それぞれの連の個性あふれる衣装も楽しみ。こちらは徳島名産のすだちを連の名前にしている「すだち連」。衣装もすだちがモチーフ。

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たくさんの連を見たが、私が一番「上手い」と思ったのはのんき連かも。先にアナウンスで「歴史がある連」と聞いたから、先入観込みかもしれないけれど。

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フィナーレは、鳴門市阿波踊振興協会に所属している6つの連による総踊り。これは圧巻。というか私が今まで抱いていた阿波踊りのイメージ(テレビや本でよく見る)は、この総踊りなのだと初めて分かった。

夢中で見ていたら、コンデジを桟敷席の下に落としてしまった。なので仕方なくその後はガラホ(ガラホ×ケータイのSHF31)のカメラで撮ったのだが、なんとコンデジよりキレイに撮れた(笑)。
踊りが終わってお客もほとんど帰ってから、係の人に「コンデジを桟敷席の下に落とした」と言ったら、釣り竿のようなもので拾い上げてくれた。ああいう釣り竿が用意されているということは、けっこうよくあるアクシデントなのかも。

一夜明けた今日は、徳島市の阿波踊りを見る予定。聞くところでは、鳴門市より規模が大きく、踊りのレベルも高いらしい。だがたとえそうだとしても、生まれて初めて見た阿波踊りとして、この鳴門市の阿波踊りはあたたかい思い出とともにいつまでも胸に刻まれることだろう。

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