何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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『キリング・フィールド』
『キリング・フィールド』

映画の存在は昔から知っていて、できれば去年、カンボジアに旅行する前に見ておきたかった映画。旅行から約一年たって、ようやく見ることができた。マイク・オールドフィールドが手がけたテーマ曲が好きで、昔から何度も聞いて耳になじんでいたから、映画本編ではきっとこのテーマ曲が効果的に使われるのだろうと思っていた。だがいざ見ると、エンドクレジットで流れるのみ。本編では、映画の内容に似つかわしくない安っぽいBGMばかりが流れて、映画を台無しにしているように感じた。
安っぽいといえば、ラストシーンで唐突に流れる『イマジン』。感動シーンのはずなのに、シーンと曲が合ってなくて、なんだか安っぽく感じた。
だがあれはひょっとして「感動させよう」としてあの曲を流したのではなくて、歌詞の内容が、ポル・ポトが理想とした世界とかぶっているから? だからあの曲を流したのか? としたら、とっても皮肉がきいている。

80年代に作られた映画なのに、60〜70年代の映画のような荒い映像なのも、カンボジア紛争(70年代)のドキュメンタリーフィルムのようなリアリティを目指したからだろうか。
だがそれにしては、観客への説明が少なすぎる。私は事前にカンボジア紛争やクメール・ルージュについて予備知識があったからなんとか話についていけたが、何も予備知識がない人が見たら、「なんで子どもが大人を見張ってるの?」「なんで手のひらを見せたら殺されたの?」とチンプンカンプンなのでは。

また、これはわざとなんだろうけど、カンボジア人たちの話すクメール語には一切字幕がつかない。だから何を話しているのか全く分からない。唯一、英語を話すカンボジア人二人(プランと、彼を助けるクメール・ルージュの人)だけは、言語が英語なので字幕がつくという分かりやすさ。これは現地語を話すカンボジア人=主役のアメリカ人ジャーナリストにとって未知の存在、ということなのか。また「今、何を話しているのか」観客に分からなくすることで、主役のアメリカ人と同じ目線で映画を体験できるようにしたのかも。

後半、プランとともに逃避行をする子どもがかわいい。カンボジア人役で出ているキャストの大半が実はタイ人らしいけど、白人の子どもより東南アジアの子どもの方がダントツでかわいいと感じさせてくれる。もちろんその子どもにもよるだろうけど。

カンボジア紛争を描いた、実話が元の映画だから、もっと衝撃的なのではと思っていたけど、正直そこまでの衝撃はなかった。見る前の期待が大きすぎたのかも。それでもプランが無事脱出できたときはほっとしたし、後味は悪くない。だがDVDの解説で、プランを演じた俳優がこの数年後に殺されたと読み、一気に後味が悪くなった。クメール・ルージュに囚われの身から奇跡の生還を果たした人が、アメリカで強盗にあっけなく殺される。呆然とするほかない。
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