何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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『ローマの休日』
『ローマの休日』

あまりにも有名すぎる映画って、意識しなくてもいろんなところでその映画の写真やストーリーを目にするから、見ていないのに「すでに見たような感覚」になって、意外と見ないままのことが多い。
この映画もすでにストーリーは知っていて、「ラストシーン、主人公二人が目と目を見合わしてうんぬん」とかいうのも知っていたから、「今さら見てもなー」とこれまで見るのを躊躇していた。だが先日見た、これも有名すぎる『七人の侍』が想像以上に面白かったので、「やはり名作は侮れない」と思い、『ローマの休日』を借りてみた。

ドロシー・ラムーアの名前が、なんと二度も出てきた!これが一番の驚きだった(笑)。この映画の撮影当時(1950年代)はドロシー・ラムーアがハリウッドの売れっ子だったことがうかがえて、なんとも時代を感じた。
私はドロシー・ラムーアがヒロインを演じる珍道中シリーズが好きで、だから必然的にドロシー・ラムーアにも親しみがある。オードリー・ヘプバーンのような大女優ではないけれど、だからこそ時代のあだ花的なはかなさがあって良い。
ドロシーについて語るとそのまま珍道中シリーズについて語り出しそうなので、話を強引に『ローマの休日』に戻す。一つだけ珍道中シリーズについて書くならば、私が高校の卒業文集に書いた文は、高校生活とは何の関係もない珍道中シリーズの感想文だった(笑)。もし何か事件を起こしたら、あの感想文がマスコミに晒されるかもと思うと、恐ろしくてとても事件なんか起こせない。

さて『ローマの休日』。だいたいのストーリーは知ってたつもりだったけど、細かい部分は知らなかったので、思った以上に楽しめた。グレゴリー・ペックがパリッとしたいい男すぎて、全然新聞記者に見えない(笑)。新聞記者ってもっとこう、常に寝不足でくたびれているイメージなので。それに対して、オードリー・ヘプバーンは本当にプリンセスらしく見える。でも一番魅力的だったのは川から上がった時の、ずぶ濡れになった姿。『ローマの休日』のオードリーといえばあのショートカットが有名なのに、皮肉にもそのヘアスタイルが崩れた時、濡れた髪が額にぴたっとくっついてる時がもっともきれいで、少年のような中性的な魅力を発散していた。この中性的な魅力はオードリーならではで、当時、それまでのハリウッド女優を見慣れた目にはいかに新鮮だったかが分かる。

ラスト、宮殿から歩き去るブラドリーが、名残惜しそうに、もう一度アンがいた方を振り返るシーンが印象的だ。だがもうそこにアンはいない。それが良い。あそこでもしアンが現れて、ブラドリーを追いかけてきたりしたらハッピーエンドではあるけれど、果たしてここまで語り継がれる映画になったかどうか。この映画は、二人の身分違いの恋が、結局はむくわれないからいつまでも心に残るのだろう。アンを思いながらゆっくりと宮殿を歩き去るブラドリーの、寂しげな、でもどこかさっぱりした表情がいい。どうせ初めから身分違いと分かっていたさ、彼女の事は忘れよう、と自分に言い聞かせているような。

しかしアンがソフトクリームのクリームだけ食べて、コーンを足元に放り捨てたのにはびっくりした。行儀悪いというか、もったいないというか……あれは「一般人とは違う、皇族ならではの非常識」の演出だろうか? それともイタリアでは普通のこと? ハトがたくさんいる観光地だから、コーンは捨てて、ハトに食べさせてあげるのだろうか。
そしてアンは帰国してから、ブラドリーに借りたお金を郵送したのか? これも気になるところである。
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