何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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台湾人に、いきなり日本語で話しかける日本人
年末年始に初めて台湾を旅行した。台北+花蓮で10泊11日。台北は日本人旅行客に人気と聞いてはいたけれど、予想以上に、どこも日本人だらけだった。自分も同じ日本人のくせに、自分のことは棚上げして書く。だって私は一人旅だから話す相手もいないし、ぶつぶつ独り言を言う癖もない。つまり日本語を話さずに観光しているから、ぱっと見では日本人とは分からないはず(笑)。まあ服装の地味な色合いなどから、分かる人には一目で日本人と分かるんだろうけれど。台湾人や中国人のように、ショッキングビンクのダウンとか着ないからねー日本人は。

小籠包で有名な「鼎泰豊」なんか、店内の客は全て日本人、外で行列を作って待ってる客も全て日本人という徹底ぶり。子ども連れも多くて、内装もカジュアルモダンで小ぎれいだから、食べながら、ここは日本のファミレスかと錯覚しそうになった。
ちなみに私が店に行ったのは土曜の、朝9時前。開店してすぐだったのかまだ空いていて、4人掛けのテーブルを一人で占領できたけれど、後から来た一人客(男性)と、カップル客は10人掛けのテーブルに相席させられていて、どちらもきまずそうで気の毒だった。特に一人客のほう。台湾って日本の飲食店みたいに、「相席になってもいいですか?」とか店員がいちいち確認してくれないもんね。
さらに後から来た別のカップル客も、そのテーブルに座らされていた。二組のカップルが一つのテーブルに相席……これもまた気まずい。
このままだと私のテーブルも相席になるのでは?と気が気でなくなった私は、さっさと食事をすませて店を出た。まあ小籠包はおいしかったけれど。

とまあ、とにかく日本人が多かった台北は。有名な観光地やショップはもちろん、ホテルでも駅でも電車内でも、たいていの場所で日本語が聞こえてきた。体感的には、日本よりも日本人が多いんじゃないかと感じた。もちろんそんなわけはないのだが、そう感じてしまうのは、私が日本の田舎から、日本人に人気の観光地・台北に行ったからだろう。これが東京とかからの移動だったら、そんなことは感じないのだろうけれど。
つまり人口の少ない日本の田舎にいる時よりも、周りから頻繁に日本語が聞こえてくるのだ台北は。だから日本にいる時より日本人が多く感じる。ほとんどが複数で旅行しているし、テンションも高めだから、四方八方からひっきりなしにはしゃいだ日本語の話し声が聞こえてくる。台北で日本語が聞こえなかった場所は、観光地なら林本源園邸くらい。「台北は日本人多すぎ」とちょっとげんなりしている人は、行ってみては。もちろん観光スポットとしてもおすすめだ。

そういう訳であまりにも日本人が多すぎていささか異国情緒には欠けるものの、そういう私も日本人なのでお互いさまだ。自分では「私は喋らず黙々と旅行してるから現地人に見える!」と勝手に思っているだけで、ラシットのトートを持ってたから、分かる人にはすぐ日本人と分かるだろうし。
だから日本人が多いのは別にいい。私が気になったのはそれよりも、お店などで、店員の台湾人にいきなり日本語で話しかける日本人が多いことだ。あんな光景、これまで旅行して来た他の国ではまず見なかった。同じ中国語が公用語の北京でだって、店員にいきなり日本語で話しかける日本人はいなかった。というより、それ以前に北京では日本人をまず見なかった(笑)。北京で自分と同じ日本人旅行客に出会ったのは、天壇でただ一度だけだ。

確かに台湾、それも台北だと、日本語が話せる店員も多いから、つい日本語で会話したくなる気持ちも分かる。でもそれは、向こうから日本語で話しかけてきた場合の返答に限るのでは? 台湾人に、いきなり日本語で話しかけるのはちょっと図々しいのでは……と違和感を持った。
そもそも、日本語を話せる台湾人が多いのは過去に日本に植民地として統治されて、強制的に日本語を学ばされた歴史があるからだ。今でこそ「日本好き」な人が自ら進んで日本語を学ぶことも多いようだし、街でも英語教室と並んで「日語教室」の看板をよく見かける。だがベースはやはり、過去の植民地時代(台湾では『日治時期』というらしい)の名残りだろう。
その歴史を知っていながら、いきなり日本語で話しかけるか? もしかして、今でも台湾は日本の植民地だと思ってる? いやさすがにそれはないだろうけど、だが「台湾では日本語が通じて当然」というような、日本人の奢り、図々しさを感じて、私はその光景に出くわすたびに不快になった。

日本のTVや雑誌、ガイドブックなどのメディアが、やたらと「台湾は親日」と喧伝するのもまた、その一因かもしれない。「台湾人はやさしい」ともよく聞く。確かに私も旅行中、何度も見知らぬ台湾人に「日本語で」教えてもらったりして、助けられた。だが別に北京でも、困った時には何度となく見知らぬ中国人に助けてもらったし、「中国人ってやさしい」と感じた。まあ、耳元でいきなり大声を出されたりして、いささかやかましくはあるけれど(笑)。
だから特に台湾人がやさしいとは感じなかったけれど、やはり相手が日本語を話せる、というのは安心するし、親近感が湧く。北京では店員に「コンニチハ」と話しかけられて、でもそこから先は日本語で会話が続くなんてことはなかったけれど、台北では普通に店員とその後も日本語で会話が続くのがすごい。
でもしつこいけれど、そうやって日本語で会話をするのも、まずは「向こうが日本語で話しかけてきてくれてから」始めるのが礼儀だと思う。相手の店員も商売だから、いきなり日本語で話しかけられても、にこやかに日本語で応対してはくれるけれども。内心はどうなんだろう。私は日本のメディアがやたらと「台湾は親日」と喧伝することにも前からずっと違和感があるんだけれど、まあそれはここでは置いておく。ここで言いたいのは、「台湾は親日で、日本語を話せる人も多い」と喧伝されてるからといって、いきなり日本語で話しかけるのは図々しいのでは? ということ。日本語は基本、日本人しか話さない言語なのだから。

という話を、現地で知り合った台湾在住の日本人に話したら共感してもらえた。私に合わせてくれただけかもしれないけど、謝謝。
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