何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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バラックを応援したくなる13の理由
【1】優勝しそうでできない、報われないサッカー人生

この記事のテーマは「好きになった理由」ではなく「応援したくなる理由」。となれば、トップに来る項目はこれだと思う。(と同時に、「バラックを見限りたくなる理由」のトップに来そうなのもこれ)
「判官びいき」という言葉もあるように、順風満帆な選手よりも、「頑張ってるのに報われない」選手の方に感情移入し、応援したくなるのは人間の性というもの。思う通りにいかない自分の人生をバラックに重ねているのかもしれない。
「優勝しそうで」結局はできない、ってところがポイント。なんだかんだで決勝までは行くので、応援しがいもあり、なかなか見限れない。そうして「今度こそは」とバラックファンを続けているうちに、いつしか「優勝しそうでできない」寸止めの快感を楽しめるようになる。(Mか)
ちなみに「優勝できない」というのはあくまで国際大会の話。リーグ優勝なら、バラックは何度も経験している。

【2】左右の足から放たれる弾丸ミドル

記事のテーマが「好きになった理由」であれば、恐らくファン投票で1位になるであろう項目。視野が広いとか運動量が凄いとか言われているが、やっぱりバラック最大の魅力は「MFなのに驚異のシュート力」だと思う。MFなのにゴールしまくる選手は他にもいるが、バラックはそれに加えてシュートが豪快。それも両足で打てるところに、当時のファンは「型破りの選手が現れた」と衝撃を受けたのだ。
圧巻は2001-2002シーズンのCLリバプール戦。あの試合を見てバラックに惚れた人は多い。
ユーロ2008のオーストリー戦での弾丸フリーキックも凄い。当時31才。クラブ(チェルシーFC)ではほとんどミドルを打たなくなっていたので、「バラックも年取ったか」と思っていたが、なんのなんの。クラブでは必要がないから打たないだけで、打とうと思えばいつでもあんな弾丸シュート打てるんだぜ、と全世界に証明してみせた。

【3】シュートフォームの美しさ

「長身・長足・姿勢がいい」の3点セットが揃うと、プレー中の動作がいちいち映える。

【4】鋼の心臓

バラックがPKを外すとニュースになる。それくらいPKには強い。蹴り込むコースも、あと1センチずれたらポストに弾かれそうなゴールすみっこギリギリを狙ってくる。
心臓の強い選手は大舞台で輝く。どんな相手にも物怖じしない。ビビらない。プレミアリーグ2007-2008シーズンのマンチェスターユナイテッド戦は、勝ち越しPKやドログバとの小競り合いも含めて、バラックの並外れた心臓の強さを実感できる好試合だ。

【5】プライドが高くて「俺様」なところ

試合後にユニフォームを交換するとき、バラックは常に「交換を申し込まれる」側。自分から交換を申し出ることはない。
ピッチ外に出たボールを追いかけたり、スローインで投げることもほとんどしない。そういうのは若手の役目、と割り切っているのかもしれない。
そんなバラックが珍しくスローインの役目を引き受けたのが、2006年W杯のアルゼンチン戦。そしてそのスローインから、クローゼの同点ゴールが生まれた。
いつもプライドの高いバラックが、そのプライドを捨ててまで勝ちに行く姿勢に、一部のコアなバラックファンは感激したものだった。(不良がたまにいいことをすると異様に好感度がUPする、アレに似ている)

【6】感情剥き出しなところ

「俺様」だからといって、ツンとすましている訳ではない。むしろその反対。よく泣き、よく怒る。特によく泣くところは、女性ファンの母性本能をくすぐるらしい。「あの俺様なバラックが泣いてる(>_<)」という、いわゆる「ギャップ萌え」の部分も大きい。

よく怒るところも、いったん惚れてしまえば、「闘志あふれる」性格なんだと都合良く変換できる。クラニーに凄い剣幕で殴りかかったり、審判を追いかけ回したりしても、それほど幻滅はしない。(疲れるけど)
W杯アルゼンチン戦では、アジャラと「やるのか? コラ」って感じでガン飛ばし合っていたが、相手が去るとすぐ笑っていたので、敵を威嚇する意味で怒りっぽくふるまっている面もあるかもしれない。

【7】子どもにやさしい

2002年W杯の韓国戦。試合前に整列した選手たちが、FIFA会長と次々に握手をしていくシーン。バラックは握手の際に、前にいたエスコートキッズ(女の子)の頭をこづいてしまい、すぐに「ごめんね」という感じでその子の頭を撫でていた。そんなさりげないシーンに、「子ども好きで、やさしそう」という人柄を垣間見て、胸キュン(笑)したものだった。
2006年のマクドナルドのCM「バラックのサッカー教室」でも、子どもたちに語りかける表情がやさしく、演技を越えたものを感じさせられた(ファンって単純ですね)。実際、2005年のバイエルン日本遠征の際に行われたサッカー教室で、バラックは子どもにとてもやさしかったとか。

最近では2011年10月のCLヴァレンシア戦。バラックは入場前の控え室で、エスコートキッズとにこやかに会話していた。試合中は険しい表情の選手が、子どもの前だと途端に表情が和む姿に、ファンは弱い。(これもいわゆる「ギャップ萌え」)

【8】後輩の面倒見がいい

ポドルスキにビンタされたあたりから、「バラックは後輩とうまくいっていない」みたいな風潮が生まれたが、あれはバラックの指示にカッとなったポドルスキが粗暴だっただけ。バラックは後輩の面倒見はいいと思う。たとえば、当時18才のシュヴァインシュタイガーがブンデスリーガにデビューした試合。彼がコーナーキックを蹴る際、バラックは身振り手振りで指示を出していた。またユーロ2004では、代表デビューしたばかりでテンパっているシュヴァインシュタイガーに、バラックだけが試合中も声をかけたりフォローしたりと、何かと面倒を見ていた。(当時の代表で、バイエルン所属のフィールドプレーヤーはバラックとシュヴァインシュタイガーだけという事情もあった)。
……ここまで書いて、項目を「(特定の)後輩の面倒見がいい」に変えたくなったが、いやいやそんなことはない。チェルシーではカルーに、レヴァークーゼンではヴィダルに慕われていた。

【9】仲間思い

バラックは「審判への文句が多い」ことで知られているが、その多くは「仲間が悪質なファウルで倒されたのに、相手にイエローが出ない」などへの抗議が多い。これを「仲間思い」と都合良く解釈するのがファン心理。
ヴェアンス、フリンクスらが代表から外されたときも、バラックは仲間をかばい、監督にもの申していた。これを「世代交代が進むと自分もいつか追い出されるから」、つまり自己保身からの発言とは思わずに、「仲間思いだから」と解釈するのがファン心理。

【10】ブサかわいい風貌

2006年W杯で久しぶりにバラックを見た日本人の多くが、「4年前とは見違えるようにカッコよくなって」と驚いたらしい。確かに4年前はジミーちゃんに劇似だった。だがあの頃の、垢抜けてない「ブサかわいさ」は、あれはあれで魅力があった。軍人みたいな強面の選手が多かった当時の代表に、一人だけ異国の一般人が紛れこんでいるような。そう、バラックのドイツ人ぽくない風貌も、代表では浮いていた。(ドイツ人にしては目つきがやさしい。ソルブ人という噂もあるが、公的な裏付けがないので無視)
まあそれはともかく、「実力あるけど、顔は正直言ってブサイク」というのも、バラックを応援したくなる理由の一つだった。
だが当時、日本ではブサイク認定されていたバラックが、欧米では「セクシーフットボーラー」として人気だったのだ。特にドイツでは「ドイツのベッカム」として美男子認定されていた。その辺りのギャップについては、また別の記事で。

【11】世渡り下手

悪いことは悪い。嫌いな奴は嫌い。バラックは常にストレートで、はっきりしている。
空気を読んで前言を翻したり、あいまいな言動をしたりといったことがない。そのせいで、若い頃から周囲と衝突したり、誤解されることが多かった。ようするに世渡り下手。たとえ相手が権力者でも、「おかしい」と感じたら歯に衣着せずに指摘する。とうとう、ドイツサッカー協会と代表監督を怒らせて、代表強制引退と相成った。それでも、バラック公式サイトの掲示板では「それでこそミーヒャ」と拍手を送るファンが多かった。そんなバラックの不器用な生きざまもひっくるめて、彼を応援してきたからだろう。
「また言わなくてもいいこと言って。いい加減学習しようよ」とうんざりするファンもいるだろう。が、うんざりすることはあっても、「あんなことを言うなんて、裏切られた」と感じることはないのではないか。それはきっと、バラックは良くも悪くも言動が一貫していて、ブレがないからだと思う。なので分かりやすい。ファンは「やっぱりバラックは黙ってなかったか」と苦笑しつつも、その言動にブレがないことを再確認して、許してしまう。「相変わらずだなあ」と。

【12】しょっちゅう叩かれている

率直な発言が多いバラックは、メディアに叩かれることが多い。また、バイエルンがリーグ優勝を逃した2003-2004シーズンには、「戦犯」として激しくバッシングされた。中心選手の宿命だろうが、応援するファンとしては「よそ者のバラックが格好のスケープゴートにされている」と感じたものだ。(当時、カーンも「何かまずいことがあると、バイエルンの選手たちはすぐ俺とバラックの背中に隠れる」とぼやいていた)
「東ドイツ人はリーダーになれない」というネッツァーのバラック批判も、ファンの義憤を煽るのに充分だった。
自業自得なバッシングも含めて、何かとメディアに叩かれやすい選手は、応援したくなるものだ。

【13】

バラックといえば13だから、できれば「13の理由」にしたかったが、最後の項目が思い浮かばない。無理にこじつけて作るのも嫌なので、12という半端な数字で、この記事を終わらせたいと思う。
……そうだ、ここまで読んでくれた人はみな、「一番好き」という訳じゃなくても、それなりにバラックが好きなはず。そこで最後の項目は、これを読んだ一人ひとりに委ねたい(と逃げる)。がっかりすることも多いけど、それでもバラックを「応援したくなる理由」。それぞれの心にあるそれを、「13番目の項目」としてほしい。


※追記
上の記事をupして一日たってから、急に13番目の項目を思いついた。なのでタイトルも「13の理由」に変更。でもあまりにもミーハーに思えて、いったんは書くのを躊躇。そのうち「好きなように書くのがブログだし」と開き直り、フォント小さくしてこっそりup。

【13】人の良さそうな笑顔
試合中は険しい顔つきのバラックだが、笑うと目尻がだらーんと下がって、いかにも人の良さそうな兄ちゃんって感じになる。あの笑顔があるから、「ちょっと言い過ぎ」というような傲慢発言をされても憎めない。

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