コレクションは体系的に収集されたものではなく、個人的な趣向で(つまり好き勝手に)収集されたようだ。解説がないので定かではないが、遺跡から発掘された古代土器の展示コーナーもあった。レンブラントの版画がまとめて展示されている棟もあり、レンブラント好きの私には嬉しかった。ここでも作品の横にタイトルカードはないのだが、作品内のサインでレンブラントだと分かるのだ。
でもここでふと、「この版画にサインがなかったら、こんなにじっくり鑑賞するだろうか?」という疑問が沸いた。この日はここまでずっとアーティスト名に邪魔されず、ダイレクトに作品とだけ向き合ってきたからだろう。でも作品がレンブラントだと分かると、「レンブラントだから」という理由で、それまで見てきた作品よりずっと愛着を持って鑑賞している自分がいた。
壁一面をガラス張りにした、テラスルームのような展示棟。
展示されているのは古代アジアの石像。木々の種類や植え方も、どことなくアジアっぽい。石像ごしに壁一面の緑を鑑賞していると、石像が生まれた時代に、ふとタイムスリップするような感覚を覚える。
ベリッと皮がえぐられた木。これも作品だろうかとしばし立ち止まって鑑賞する。
■アーティストのアトリエアーティストのアトリエもあり、野外にたくさんの作品が並んでいた。
キリストの十字架をテーマにした作品。
イバラの冠からしたたり落ちる赤い血が、ペンキで表現されている。
これも作品と思いきや、実際に使われている小鳥の巣箱だそう。
インゼル・ホンブロイヒ美術館〈4〉に続く