何年たっても、まだ狂ってる。
Still Crazy After All These Years (Paul Simon)
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交わらない「視線」。
私は基本、バラックの私生活には興味がないし、彼が奥さんと別れようが新しい彼女を作ろうが、本人が幸せならそれでいいってスタンスなんですが……と見苦しい言い訳をかましてから、ワイドショーの芸能ニュースを見てあーだこーだ噂するレベルのしょーもない記事を書いてみる。というのも、いかにも「バラックらしいな」と思ったので。

ミュンヘンのオクトバーフェストで、バラックと元妻が隣り合ったテーブルに座ってた!ことがマスコミの写真で判明。それをファンが話題にしてますが、いざその写真を何枚か見ると、元妻の方はちらちらと元夫に視線を向けてるのに、元夫の方は不自然なまでに元妻の方を見ようとしてない。これは笑った。いや笑っちゃいけないか。でもあまりにもあからさますぎるんだもん、バラックの態度が。

あれを見て、「やっぱりバラックの方から奥さんに愛想つかして別れたのね」と納得するのは早合点というもの。これはアレだ。あのバラックの態度からして、誰かが本人には内緒で、わざと二人を隣同士のテーブルに座らせたんじゃないかと。
その理由が単なるいたずら心なのか、それとも「できれば仲直りしてほしい」という切なる願いなのかはともかくとして。
で、当日それを知ったバラックがへそを曲げて、マスコミにネタにされまいと、意地でも元妻の方を見ないようにしている。私はそう推理しました。バラックはたぶん、マスコミに見えない場所で元妻に挨拶くらいはしてると思う。三人の息子を育ててるのは元妻だし、バラックは頻繁にその息子たちと会ってるし。元妻と視線も合わさない、というような険悪な関係ではないはず。
でもマスコミの前では元妻を断固無視。そういうところがバラックらしい。とにかく陰謀とか策略とか、そういう「裏で何かコソコソやられる」のが大嫌いな性格だと思う。
それはいいんだけど、そろそろ現役引退から一年ですよね……ロンドンでシュールレを励ましたり、リオデジャネイロでブラジルW杯のプレイベントに参加したりと相変わらずリタ充なのはいいけれど、そろそろ定職についてほしいなー(笑)。
いやもっとはっきり言うと、指導者へのスタートを切ってほしいところ。引退してから一年間も定職につかずに(たまに試合解説とかやる程度)過ごせてるのは、現役時代にしこたま稼いだ選手ならではって感じで優雅そのものですが。チャリティー試合や引退試合でのびのびプレーしてるバラックを見るのも楽しいけど、やっぱり真剣勝負の世界に早く復帰してほしいなという気持ちが次第に強くなってきた。つまり私の中でバラックが足りてない。昔みたいに、週末の試合のたびに一喜一憂するドキドキな日々を再び。
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偉大なるタイムラグ

ミュンヘンのアリアンツ・アレーナで行われるドイツ対オーストリアのW杯予選で、試合前、バラックのお別れセレモニーが行われるらしい。
(セレモニーだけでなく、試合に出場するとFBで書いているファンもいるが、それはさすがに無いだろうと。仮にも親善試合じゃなくて予選だし、対戦相手に失礼。でも15分くらいの出場ならアリ? いやそれでもやっぱり失礼か)

Ballack bekommt doch einen offiziellen Abschied
http://www.welt.de/sport/fussball/wm-2014/article119667882/Ballack-bekommt-doch-einen-offiziellen-Abschied.html

http://www.sport1.de/de/fussball/fussball_dfbteam/newspage_771687.html

現役引退から一年が経ち、引退試合も終わった今になって、ようやく代表チームからの公式なお別れの場が用意される。正直「なんで今さら」感がなきにしもあらずだけど、こうしてきちんと代表からお別れするのは、やはり必要なことだと思う。そこには「今さら」とか関係ない。なんといっても前代表キャプテン。あのまま、何の区切りもなくフェイドアウトするのはやはり寂しい。(しかも最後の試合は負け試合だったし。2010年3月(だっけ?)のアルゼンチン戦だから、もう3年半前のことだ)
相手がオーストリアというのもいい。ドイツを救ったあの弾丸フリーキックは、「バラックのもっとも偉大な瞬間」だと言う評論家も多い。
願わくば、花束や記念品を渡すセレモニーだけでなく、もう一度フリーキック蹴ってもらうくらいのサプライズ演出があってもいい(笑)。

6月の引退試合では見られなかった、レーヴとの和解シーン(抱擁など)も見られることだろう。というかレーヴと和解したからこそ、こうして公式にお別れの場が用意されたわけで。「なんで今さら」と思うほどのタイムラグは、それだけの長い期間、バラックがレーヴらDFBと喧嘩していたからだし、そうして喧嘩してもなお、和解後に引退セレモニーをしてもらえるというのがすごい。まさにVIP。

しかし代表引退(2011年8月)して2年以上経ってから、引退セレモニーをやった選手って他にいたっけ? ちょっと、すぐには思いつかないのだけど……。それだけバラックが偉大な選手だったのだと都合良く解釈しておこう。うん。
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リタ充ライフと“Legend”認定
久しぶりにバラックのニュースをチェックしてみたら、相変わらずヒゲキャラだった。……ということはどうでもよくて、相変わらずいろんな行事に招かれるなどして、充実したリタイアライフを送っていた。略して「リタ充」。病気の子どもを支援するチャリティーゴルフ大会に出たり。楽しそうで何より。
中でも目を引いたのは、フリンクスの引退試合の翌日、9月8日にハンブルクで開催される“Day of Legends”に出場するというニュース。サッカーファンからはすでにLegendLegend言われているバラックだけど、“Legend”の名を冠した試合に出るのは初めてで、これって公に“Legend”として認められたってことかなあと、ファンならではの希望的解釈をしてみる。(にしても欧米のサッカーファンはどんな選手にも安易にLegendLegend言い過ぎ(笑)。Legendってそんなに安い称号じゃないだろうと)

Wow! Beckmann holt „Capitano“ Ballack
http://www.bild.de/sport/fussball/michael-ballack/beckmann-holt-den-capitano-31959520.bild.html

上のBildの記事では、「ラインホルト·ベックマン」という有名な "レジェンドマッチ"の創始者が、“Day of Legends”にバラックを選んだことに焦点を当てている。ベックマンいわく「バラックは、エジル、ゲッツェ、ミュラーのようなヤングスターが出てくる以前の、代表チームでただ一人のワールドクラスだった。バラックがいなければ、ドイツは2002年W杯や、ユーロ2008の決勝にたどりつけなかった」。

バラックの再評価とでもいうのだろうか。少し前にも、バラックを「暗黒時代のただひとつの光」と評した記事があった。こうしたバラック評は他にも多いけれど、いつも都合よくカーンの存在を無視してるなあと、読むたびに思う。雑誌『11FREUNDE』の記者もそのところに突っ込んでいて、「少なくとも同時代にはカーンもいたはずだ」と書いていた。だがほとんどのマスコミはそのことを無視して、バラックを「かつてのドイツの、たった一人のワールドクラス」ということにしたがる。
恐らくそうした方が、マスコミが「こうあるべき」と考えているバラックの個性ーー「悲劇性」が、より強調されるからではないだろうか。同じ『11FREUNDE』のインタビューで、バラックが、マスコミからのそのような一方的なキャラ付けに抗議していたことを思い出す。はっきりとは覚えていないけれど、たしかこんな内容だった。ーー「ネッツァーだって国際タイトルは獲得していないけれど、そのことを取り沙汰されることは滅多にない。なのになぜ自分はこんなにも国際タイトルを取れなかったことを強調されて、『不運な選手』と言われるのか」。
バラックの気持ちはよく分かるし、理不尽だと思うが、その一方で「でもそれがマスコミってものよね」と諦めていたりもする。一度、マスコミから「不運な選手」というネガティブなキャラ付けをされたら、それをポジティブな方向にくつがえすことは難しい。いくらバラックが「幸せなサッカー人生だった」「後悔はない」と主張しようとも、それらは全て「やせ我慢」と捉えられ、“der Unvollendete”(未完成)という、彼についてまわるレッテルを貼られるのだった。

あるいは。マスコミの「たった一人のワールドクラス」という表現について、好意的に考えれば、こういう見方もできる。マスコミはバラックを高く評価したいけれど、あいにく代表でのタイトルがない。でもそれはチームメイトに恵まれなかったからであって……という理由づけ。タイトルはなくても、偉大な選手だったと伝えるために、「たった一人のワールドクラス」という表現を使うのではないだろうか。

もっとも、「たった一人のワールドクラス」ということは、バラックの現役時代から言われていた。そして当時から、その言葉を聞くたびに何かモヤモヤしたものを感じていた。たぶん、同時代の選手たちが過小評価されているように感じたからだろう。そもそも、バラックが代表で本領を発揮できた「きっかけ」は、当時のレヴァークーゼン所属の代表選手たち……特にシュナイダーの功績が大きかった。彼がいなければ、バラックはクラブでは活躍しても、代表ではイマイチの選手で終わっていた可能性だってあったのだから。

バラックを讃えたいなら、普通に、これもよく言われている「2000年代のドイツ最高のサッカー選手」でいいじゃん。何も「たった一人のワールドクラス」とか、同時代のチームメイトたちを落とすような讃え方しなくたって。……と、その「時代」を共に生きてきた者は思うのだった。
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三つの出会い。
※この記事は「ドイツ・ポーランド旅行〜2013年初夏」カテゴリの「【1日目】三つの出会い。」と全く同じ内容です。jugemでは1つの記事に複数のカテゴリを設定できないので、やむを得ずこのようにしました。同じ記事が2つ続いてお見苦しいですがご了承ください。


6月3日。
フランクフルトからライプツィヒまでのフライトは、約一時間。離陸して、ちょっとま水平飛行したらすぐまた着陸態勢へ、という感じであっという間だった。
私の斜め向いに東洋人の若い女性が座っていた以外は、乗客は全員ほぼ白人。子どもを連れたファミリーもいなければ、騒がしい若者グループもいない。代わりにスーツ姿のビジネスマンがちらほら。他にも仕事でライプチヒに行くんかなあという感じの人がわりと多くて、機内は静かで快適。それはいいんだけど、「もしかしたら、バラックのユニフォームを着たファンがこの飛行機に乗ってるかも」という期待はあえなく外れた(笑)。まあ、そういう私も別にユニフォームは着てないから、端から見れば引退試合に行くファンには見えないだろうけれど。

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ライプツィヒの空の玄関口、ライプツィヒ=ハレ空港。カーブを描いている片側の壁がガラス張りになっており、眺望は抜群。

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ガラス壁からよく見えるエリアに、ぽつんと飛行機が置かれていた。始めは「オブジェ?」と思ったけど、よく見ると胴体に「DEUTSCHE LUFTHANSA」の文字と、おなじみのロゴマークが。今のデザインになる前のルフトハンザ機のようだ。現役を退き、ここで静かに余生を送っているというわけか。

バラックの引退試合を見るために来たライプツィヒで、最初に出会ったのが引退後のルフトハンザ機ということに、なんとなく運命的なものを感じてちょっとしんみり。

しんみりしつつ、階下の空港駅に降りていったら、今度はいきなりバラックと遭遇!
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遭遇といってももちろん本人とではなく、例の旅行の広告ですが(笑)。指をさしてる等身大バラックの足元には2つの椅子。さっきここに女の子二人が座ってたけど、もしかしてこれは「バラックと一緒に記念写真」を撮れるよう、こうして椅子が置かれてるのん?
うわー、こういうとき一人旅ってつらいわー。二人だったら互いにバラックとのツーショットを撮りあえたのにぃ(笑)。

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ヨットの帆を並べたようなデザインがカッコいい、ライプツィヒ=ハレ空港駅。ライプツィヒ中央駅までは快速で約14分。

中央駅までの切符を買おうとホームに設置されている自動券売機に行ったら、先客がいた。さっき、機内で斜め向いに座っていた東洋人の若い女性だ。何か困っているような雰囲気だったので、「日本人ですか?」と声をかけたらどんぴしゃ。しかし私もドイツの自動券売機で切符を買うのは2年ぶりなので、彼女に買い方をレクチャーできるほどの知識がない。二人で悩みながらとりあえずボタンを押していく。中央駅までは6ユーロ。「近距離なのに高いですよね」とか言い合いながら、二人ともなんとか無事に切符を買った。
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ライプツィヒ=ハレ空港駅から中央駅までの切符。

中央駅行きの電車を待ちながら、私が「観光ですか?」とたずねると彼女はうなずき、
「サッカーを見に来たんです」
え、でも今はブンデスリーガはオフシーズンだし……ということは、もしかするともしかして?
「バラックの引退試合?」と聞き返すとこれまたどんぴしゃ。WAO!(笑)
私もバラックの引退試合に行くんですと言うと、彼女の方もびっくりしていた。二人で「すごいすごい」と言い合っているうちに、電車が来たので一緒に乗り込む。

まさか、バラックの引退試合に行く日本人が他にもいたとは。でもある意味、納得する部分もある。バラックは日本では知名度的にもファンの数的にもマイナーだと思うけど、ファンが少ない分、マニアックな「濃い」ファンが結構いる、という印象なので。つまり、はるばるドイツまで引退試合を見に来るようなファンね。でもそういうファンの一人と、こうして駅で偶然出会えたのはすごい。
私はこの旅行にケータイを持ってこなかったので、この後、彼女と連絡を取り合ってスタジアムで落ち合う、とかはできない。なのでドイツでの彼女との交流はこの時限りだけど、こうして出会ったのも何かの縁だからと、互いのメールアドレスを書いて交換する。そうこうしているうちに電車が中央駅に到着。「明後日の引退試合、楽しんでくださいね」と挨拶をかわして彼女と別れた。

あのとき出会ったKさん!わずか十数分の交流だったけど、同じ目的を持ってやって来た日本人と出会えて嬉しかったし、心強かったです。素敵な出会いをありがとう

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ライプツィヒ中央駅。頭端式駅としてはヨーロッパ最大。
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ヒゲとジナン
ここ最近のワタシ的なバラックのトピックといえば「ヒゲとジナン」。ユニコーンの曲のタイトルをもじっているようでいて、実はつながりがあるこの二つのキーワード。
まずヒゲ。今年の春くらいからずっと、バラックはヒゲキャラになっている。最初に「ヒゲキャラ」として登場したのはたぶん、カンプノウで行われたCL準決勝の解説をしたとき。鼻下から顎にいたるまでみっしりとヒゲをたくわえてピッチに登場。当然だけど髪が黒けりゃヒゲも黒いから、ヒゲの存在感抜群。あそこまで行くとぱっと見バラックに見えない。というかドイツ人に見えない。肌の色も浅黒いから、まるでアラブの富豪のようだった。

あのヒゲはどうやら不評だったらしく、その後は今のようなうっすらとした無精ヒゲに。でもいくら「うっすら」とはいってもやっぱり黒いので存在感がある。
先日の引退試合や、アフリカでのチャリティー試合などではそのヒゲを剃っていたけど、それ以外の場面では常に無精ヒゲ(に見せかけて、実はきちんと毎朝整えているヒゲ)。セレブが集まるパーティーの席でも、タキシードを着ているのに顔は無精ヒゲ(笑)。本人は気に入ってるらしい。確かに良く似合ってるし、私も嫌いじゃない。これまでバラックが欧米の女性たちからセクシーセクシー言われてるのが全く理解できなかったけど、今だとほんのちょっと理解できる(ちょっとかよ)。
今ではヒゲを剃って出場した引退試合の写真に違和感を覚えるほど、ヒゲキャラ化したバラックに馴染んでしまった(笑)。
でもあれかな、試合に出る時だけはヒゲを剃るってことは、バラックの中ではあのヒゲは「サッカーをしない自分」、つまり引退後の自分を現す記号のようなものなのかも。だからたぶん、9月に行われるフリンクスの引退試合でも、その時だけはヒゲを剃って出場すると予想してみる。

次にジナン。引退試合の試合後のセレモニーで、始めから終わりまでずっと偉そうに腕を組んでいたジナン。父親から頬にキスされて顔が密着したとき、「ヒゲの剃り跡がジョリジョリしていてえ」って風に思いっきり嫌な顔をしていたジナン(ここでタイトルの「ヒゲとジナン」がつながる)。場内一周で父親から頭をなでられるたび、「気やすく頭に触んじゃねえ」って感じでうっとおしそうに頭を振って父親の手を払いのけていたジナン。5万人の大観衆が父親に拍手喝采しているのに、一人だけ全く空気読めてない反抗期なジナン(笑)。
とにかくそのふてぶてしい態度といい不敵な面構えといい、子どもの頃のバラックそっくり(って、写真でしか見たことないけど)。父親の遺伝子をもっとも濃く受け継いでいるのはこのジナンに違いない。13番のバラックユニもこの子が一番よく似合っていた。バラックいわく、サッカーの方もなかなか見所があるらしい。もちろん父親の言うことなので少しは親バカ入ってると思うが。

いつも恥ずかしそうにニコニコしている性格の良さそうなチョーナンも、ふてぶてしいジナンの態度に感化されたのか、セレモニーの終わりの頃にはジナンの真似して腕を組んでいた。というかチョーナンはチョーナンで兄貴のくせに主体性なさすぎ(笑)。なんか少し見ないうちにメタボってるし。(余計なお世話)
まあ、あの息子たちは去年4月、バラックのレヴァークーゼン最後の試合でも試合後のセレモニーに引っ張りだされて、父親と一緒に場内一周してたから、ジナン的には「またかよ」「いったい何回セレモニーやるんだよ」とうんざりしてる部分もあるのかもしれない。彼が大人になって父親の偉大さを知ったとき、なぜ二回も似たようなセレモニーをしたのか、する「必要」があったのか、理解できることだろう。このままサッカーを続けてほしいけど、常に父親と比較されることに嫌気がさして、あっさり他のスポーツに転向しそうでもある。それはそれでジナンらしいし、いつかスポーツニュースで「選手」としてエミリオ・バラックの名が登場するかもしれないと、引退試合の動画を見ながらふと思ったのだった。
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友情とは成長の遅い植物である。
忙しくてなかなかちゃんとした観戦記も旅行記も書けずにいるけど、それでもこないだようやく引退試合のビデオをフルで鑑賞。スタンドからはよく分からなかった選手の表情や動きなどが分かって興味深い。試合終了後、チームメイトやチームスタッフたちが二列に並んで「花道」を作り、仲間達の拍手の中をバラックが通り抜けるシーンなどは、私の席からは全く見えなかった。あのシーンは良い。連想したのは、プレミアリーグなどのシーズン最終戦。優勝チームのイレブンがピッチに入場する際、対戦相手のイレブンが花道を作って拍手で優勝イレブンをピッチに送り出すシーンだ。あの「花道」は、あれの引退試合バージョンと見ていいだろう。つまりバラックは「勝者」として、仲間達から第2の人生へと送り出されたのだ。彼につきまとう称号の「永遠の2位」や「敗者」としてではなく。

また、現地では唐突に試合が終わったように感じたけど、やっぱり85分で試合終了してたってこともビデオを見て分かった。あれは主審が空気を呼んで、試合終了の笛を吹いたんだと思う。その10分くらい前から、けっこう頻繁に観客が紙飛行機をピッチに飛ばしていたので。
テレビ中継では、スタンドの歓声はかなり音量を絞って放送されていたことも分かった。実際はもっと凄い歓声だったように思うけど、あれは私がその歓声のただ中にいたからそう感じただけなのか? とにかく、バラックが最初にピッチに登場する時の手拍子、そして歓声はスタジアムを揺るがすほどだった。私はあいにくその時スタジアム内の売店に並んでいたので、その姿はオーロラビジョンでしか見れなかったけれど。でもあの歓声の凄さは今も耳に焼き付いている。(なんでそんな時に売店なんかに並んでるのかって話ですが。スタジアム入場の際に警備員にペットボトルを取り上げられ、その後自分の座席を探して歩き回ったので、死ぬほど喉が渇いてたのよ……)

まあとにかく永久保存のビデオであることは間違いない。ちなみの下記のサイトからDLしました。(タイムラインの6月7日の記事にビデオへのリンクあり)
http://www.facebook.com/13MichaelBallack

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自分が撮った写真を眺めて、新たな発見をすることも多い。これはハーフタイムの後、後半開始前の入場シーン。天を指差して祈りを捧げているようなドログバと、それを隣で見ているシェフチェンコ。後ろ姿なのでその表情は見えないけれど、シェフチェンコがきっと笑顔を浮かべているだろうと確信できるから不思議だ。何か話しながら入場してくるシュナイダーとフリンクスにも和む。そしてバラックはそんなチームメイトたちを振り返って満面の笑顔。

私はこの入場シーンを連写していたらしく、上の写真には「続き」があった。

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あの後、二人の間で何らかのやりとりがあったらしく、ドログバとシェフチェンコが笑顔で互いの背中を抱き合っている。2006-2007シーズンのチェルシーを見ていた人なら、この二人の「絆」を思い起こすことだろう。あのシーズン、シェフチェンコはなかなかゴールを奪えなくて苦しんだけれど、自分のゴールはなくても、ツートップを組んでいたドログバのアシスト役としてはかなり貢献していた。そしてドログバはそんなシェフチェンコに感謝していた。あの頃の「絆」が今も続いていることを発見して感動。そして、そんな二人を憧憬の眼差しで見ているシュールレの姿も印象深い。
そしてバラックは、今度は体ごと振り返って笑顔を見せている。たぶんエッシェンと笑い合っているのだと推測。シュナイダーとフリンクスは相変わらず何か熱心に話しながら入場。……とまあ、たった二枚の写真からこれだけのストーリーを読み取ることができる。それだけ、バラックのキャリアの中で重要な選手たちが集結したということだろう。
エッシェンとか、バラックがチェルシーに移籍した当初はなかなかバラックにパスを回してくれなかった記憶があるけど、それが今ではこの仲の良さ。バラックに1点目をプレゼントしてくれたのもエッシェンだし。(敵チームにもかかわらず!)
「友情とは成長の遅い植物である。その花が開く前に、耐え難い肥しを必要とする」というワシントンの名言を思い出す。引退試合は、まさにバラックがこれまで育ててきた「友情」の集大成でもあった。
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“Thank you Kaiser”
ドログバがinstagramに引退試合の写真をup。バラックにメッセージを送っている。
http://web.stagram.com/p/472196934169932478_256358723

メッセージの中でドログバはバラックを“Kaiser”と呼び、チェルシーで共にプレーして多くのことを学んだこと、引退試合に招待されて嬉しいこと、そして「君はこの瞬間に値する」ことを書き記している。

多くのファンや関係者たちが、バラックが彼にふさわしい「別れの舞台」を与えられることを願ってきた。
その思いは、かつての彼の仲間も同じだったのかもしれない。

ドログバはさらにバラックの写真に「#kaiser」タグまでつけている。他の、マスコミのどんな賞賛の言葉よりも名誉に思う。
(#2というタグもつけているが。あれはドログバのユーモアなのか)

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「切り取られた時代」その2。ゲームの後半、Weltauswahl(世界選抜)チームの一員としてプレーするバラックとドログバ。現地で撮った写真を拡大してみると、偶然、周りの選手も「あの時代」のチェルシーの選手たちばかりだった。
白地に青ラインのユニフォームがまた、かつてのチェルシーユニを彷彿とさせる。(アウェイユニでこういうデザインのがあった)


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あおぞら
いくら当日に新鮮な感動を得たいからって、あんまり事前に情報を仕入れないのも困りものですね。
というのも6月5日の記事で「欲を言えばランパードにも出場してほしかったけど、みんなそれぞれ事情があるだろうから」とか書いたけど、実はランパードもテリーやシュヴァインシュタイガーと同じく、「怪我のため欠場」だったということを今になって知ったのでした。
うわ、私ってば最悪。言い訳すると、その日の朝刊の「怪我のため欠場」リストにはテリーとバスティの名前しか掲載されてなかったのだ。ちゃんと、ランパードの名前もそのリストに加えといておくれよLEIPZIGER VOLKSZEITUNG!(八つ当たり)

あーでも、怪我だと分かるとなおさらその欠場が残念。今さら悔やんでも仕方のないことだけれども。バスティがわざわざ自分のFBでバラックあてに「試合に出られなくて残念」とメッセージを書いてるのが泣ける。最初に「Capitano!」と呼びかけてるのが空気を読みすぎててさらに泣ける。(だって普段はそんな風に呼んでないだろうし)
そしてメルテザッカーも自分のFBで、バラックの引退試合についてメッセージと写真を載せている。探せば、バラックの引退について何か書いてる選手が他にももっといるかもしれない。
とりあえず、怪我でやむを得ず欠場なのにそれを知らずに勝手なこと書いてごめんなさいランパード選手。

さらにもう一つ謝らなければならないことが。
同じく6月5日の記事で「もし雨だったら、試合延期になるかもしれなかった。主催者は、観客はドイツ国内からしか来ないとでも思ってるんだろうか」と不満めいたことを書いたけれど、実は事態はもっと深刻で、スタジアムのすぐ近くを流れているヴァイセ・エルスター川が増水して、これ以上雨が降ると危険な状態になってるからだったんですね。「雨だったら延期」とかいう単純な事態ではなかったんだ。全く知らなかった。ザクセン地方、特にエルベ川の水害についてはこの後、プラハからドレスデンに移動する途中でつぶさに見て、そこで初めて事態の深刻さに気づきました。それまで全く無頓着に、旅行を楽しんでたんだから無知って恐ろしい。

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この日はこんなにいい天気だったけれど、実はサッカーどころじゃない人たちがこの地域にはたくさんいたのだということ。
ヨーロッパの洪水被害が早く治まることを願いつつ、この奇跡的に晴れ渡った青空が、バラックの旅立ちを祝福しているようにも思えてくるのでした。
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切り取られた「時代」。
引退試合を見ながら、スタンドで泣くかなと思っていた。
だが実際は涙の一滴もこぼれなかった。「今、この瞬間を目に焼き付けなくては」と必死だったからだろう。つまりテンパっていたのだ。
帰国してからも仕事に追われて、まだ動画サイトでごく短いハイライトしか見れてないんだけど、それでもようやく気持ちに落ち着きが戻ってきたのか、動画を見ながら目の奥がふと熱くなる瞬間がある。
だがまだ涙を流すまでにはいたってない。まだそこまで冷静に、あの試合を振り返れるようになっていないからだ。

その中でも、今んとこもっとも私の目頭を熱くさせた一枚がこれ。自分で撮った写真なんだけど、このいかにも素人が撮ったっぽい荒い画質がかえってリアルで、「あのとき、あの場に自分もいたんだ」と実感させてくれる。

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別に、この四人がフレームに収まる瞬間を狙って撮ったわけではない。全くの偶然。帰国してからデータをMacに移して拡大してみたら、たまたま「あの時代」のドイツ代表黄金の中盤が切り取られていた。
(実はこの言い方にはやや無理がある。フリンクスが代表で不動のレギュラーとなったのはハマンが代表から退いてからで、だからこの四人が同時に中盤を構成した試合は意外と少ないかもしれない。だがそんなことはこの際どうでもいい。この四人ーーバラック、ハマン、シュナイダー、フリンクスがこうして再びピッチに揃ったことに意味がある)

あの時代、ドイツは暗黒期から抜け出しつつある時期で、決して黄金時代とは言えないけれど、この中盤に関してだけは「黄金」だったと言いたくなるのは、懐古趣味が過ぎるだろうか。
W杯で準優勝したかと思えば、二年後のユーロではGL敗退もした中盤。
約10年ぶりにピッチに集合した今も、四人ともあの頃と全くその個性が変わってないのがすごい。シュナイダーは相変わらずルーズソックスだし、ハマンは一人だけ律儀にシャツインしてるし、フリンクスは入れ墨に長髪ヘアバンドだし、バラックはキャプテンマークをずり上げているし。(そして体型も変わっていない。体型を見ただけで誰だか分かる)

いつまで見ていても飽きない。こうしてますます思い出が美化されていくのであった。実際は脆い部分も多くて、それほど強い代表チームではなかった。ただ、バラックを陰ながらサポートして、伸び伸びとプレーさせてくれたのはこの三人だったなあと今さらながら思う。この三人と同時代にプレーできたバラックは幸せだった。


すっかり遅くなってしまいましたが、拍手ありがとうございます!以下「続きを読む」に拍手への返信です。
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バラックのDokuを見てプチうつになった。
引退試合前夜の6月4日に放送されたドキュメンタリーが、Youtubeにupされてるのを今さら見つけた。

Dokumentation Michael Ballack - Die ewige Jagt nach dem Titel
http://www.youtube.com/watch?feature=player_embedded&v=KSeHmPlUE4k

放送したMDRは引退試合を生中継した局だから、翌日の生中継を盛り上げるべくかなり力の入った作りになってる。
しかしちょっとエモーショナルに訴える作りになりすぎ。もっと言えば、「悲劇性」を押し出した作りになりすぎてるように思う。
案の定、最終シーズンのレヴァークーゼンでの活躍はスルーされてるし。(それが一番の不満)

バラックのキャリアって、こうした「お涙頂戴」でしか統括できないようなものなのか?
NEIN!

もし今後またバラックのドキュメンタリーを作ることがあれば、最後は引退試合の映像で爽やかに締めくくった番組を作ってほしい。とか贅沢な注文をつけてみる。
でもドキュメンタリーとして力作なのは確かなので、ファンなら見ておいて損はない。
関係ないけど、ドイツではドキュメンタリーのことをDokuって略すのね。(レヴァークーゼンファンがそう書いてた)

あと、引退試合FBを作ってたファンの人が始めた、新しいFB。この夏から、コーチライセンスを取る勉強を始めるかも?とのニュースにわくわく。
過去を振り返ってしんみりするのもいいけれど、「そろそろ前を向いて歩いていく時」と、掲載されているバラックの笑顔が語っているように見えた。
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